[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して取引を終えた。S&P総合500種 (SPX)は1日としては約2カ月ぶりの大幅な上昇率を記録した。市場予想を上回る米中の経済指標を受け、貿易を巡る懸念が一部和らいだ。
S&Pの主要セクターすべてが少なくとも1%上昇し、最近特に売り込まれていた情報技術セクターは2.4%高となった。
S&P総合500種 (SPX)は前日7日から続伸し、8日の高値近辺で終了。終値は7日の安値を4%上回る水準だった。
ストラテジストによると、株価先物が上昇し、安値拾いの買いが入った。
BB&Tウェルスマネジメントのシニアバイスプレジデント、バッキー・ヘルウィグ氏は「オーバーナイトの動きがポジティブだった。それに加えて前日の反発も、きょうの市場の追い風となった」と指摘した。
半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) (O:AMD)は16.2%急伸。同社は第2世代プロセッサーチップをリリースし、アルファベットのグーグル (O:GOOGL)やツイッター (N:TWTR)を顧客として獲得したと発表した。
インターネットセキュリティー大手シマンテック (O:SYMC)は12.3%高。半導体大手ブロードコム (O:AVGO)がシマンテックのエンタープライズセキュリティー事業買収に向け、協議しているとの関係筋の情報が材料となった。シマンテックは引け後、同事業をブロードコムに売却すると確認した。[nL4N2545KD]
8日公表された新規失業保険申請件数は市場予想よりも少なく、経済が減速する中でも労働市場が引き続き好調であることを示唆。[nL4N2543SS]これを受けてリセッション(景気後退)懸念が幾分和らぎ、米国債利回りは上昇した。
予想を上回る中国指標も、米中貿易戦争を巡る懸念の緩和につながった。
食品大手クラフト・ハインツ (O:KHC)は8.6%安。減損費用などとして約10億ドルを計上したことが重しとなり、上半期(6月29日まで)純利益が前年同期から約半減した。[nL4N25447H]
配車サービス大手リフト (O:LYFT)は3.0%高。通年の業績見通しを引き上げたことや、競合ウーバー (N:UBER)との価格競争が一段落したことが背景。
ウーバーは引け後に発表した第2・四半期決算で売上高が市場予想を下回り、時間外取引で一時6.9%下落。通常取引終値は8.2%高だった。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を4.47対1の比率で上回った。ナスダックでも2.69対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は80億8000万株。直近20営業日の平均は72億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 26378.19 +371.12 +1.43 26086.52 26383.61 26038.10 (DJI)
前営業日終値 26007.07
ナスダック総合 8039.16 +176.33 +2.24 7921.59 8041.12 7896.15 (IXIC)
前営業日終値 7862.83
S&P総合500種 2938.09 +54.11 +1.88 2896.21 2938.72 2894.47 (SPX)
前営業日終値 2883.98
ダウ輸送株20種 10324.38 +174.17 +1.72 (DJT)
ダウ公共株15種 825.02 +7.78 +0.95 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1491.26 +39.14 +2.70 (SOX)
VIX指数 16.91 -2.58 -13.24 (VIX)
S&P一般消費財 942.18 +18.32 +1.98 (SPLRCD)
S&P素材 364.21 +6.75 +1.89 (SPLRCM)
S&P工業 639.80 +10.48 +1.66 (SPLRCI)
S&P主要消費財 612.59 +7.32 +1.21 (SPLRCS)
S&P金融 451.27 +7.38 +1.66 (SPSY)
S&P不動産 238.02 +3.67 +1.56
S&Pエネルギー 441.49 +12.41 +2.89 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1055.21 +14.35 +1.38 (SPXHC)
S&P通信サービス 167.28 +3.64 +2.22 (SPLRCL)
S&P情報技術 1392.17 +32.47 +2.39 (SPLRCT)
S&P公益事業 308.18 +3.12 +1.02 (SPLRCU)
NYSE出来高 10.76億株
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 20780 + 220 大阪比
シカゴ日経先物9月限 円建て 20775 + 215 大阪比