[ドバイ/ロンドン 24日 ロイター] - サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは、国内の石油施設が攻撃されたことを受けて、顧客への供給を満たすために近隣諸国から石油を買い入れている。関係筋がロイターに明らかにした。
バーレーン、マレーシア、韓国などの製油会社向けにサウジアラムコ傘下の商社アラムコ・トレーディングがアラブ首長国連邦(UAE)やクウェートなどから原油を購入しているという。アラムコ・トレーディングは取材の要請に応じていない。
サウジ東部にあるサウジアラムコの石油施設2カ所は14日、無人機(ドローン)とミサイルによる攻撃を受けたとみられ、日量570万バレル程度の石油生産量が失われた。
サウジ当局は来週までに生産が完全に回復するとの見通しを示しているが、関係筋によると顧客との契約を履行し、一時的な不足分を埋めるために、他の湾岸諸国から原油を調達している。
攻撃を受ける前からアラムコ・トレーディングは市場で外国産の原油を売買していたが、サウジの原油生産が減少したため買い入れを増やしているという。
関係筋は、アラムコ・トレーディングがバーレーンの製油所向けにUAEのアブダビ国営石油会社(ADNOC)から200万─300万バレルの原油を購入すると明らかにした。
また韓国の大手製油会社エスオイル向けにUAEとクウェート産原油を英BP (L:BP)などを通じて供給する予定という。
ADNOCの広報担当者はコメントを控えた。BPもコメントを避けた。
別の関係筋は、備蓄があることを理由に、サウジは国内向けの原油輸入は必要ないと述べた。