前日の米国株式市場は主要3指数揃って大きく下落した。ISM製造業購買担当者景気指数は予想外の47.8と2か月連続の50割れとなり、2009年以来の低調な結果となった。これにより米経済減速懸念が高まり、ダウ平均は343.79ドルの大幅下落となった。香港では抗議デモに警官隊が発砲し、負傷者が出るなど終息の目途が見えず、こちらも投資家心理を冷やす一因となっている。
米国株式市場の下落を受け米10年債利回りは低下し、午前11時10分時点で1.656%、ドル/円は107.73円と円高に振れている。
香港ハンセン指数は0.93%安、韓国総合株価指数は1.31%安とアジア株式は概ね下落。ドル/オフショア人民元は0.05%高、ドル/ウォンは0.16%高となっている。なお中国株式市場は今週休場だ。
日経平均株価は2万1739円と下落している。米国株式市場が1%を超える下落を見せた割に、0.67%安と底堅く推移している。本来なら、下値を試しに行っていい場面であったが、来週に米中貿易協議が控えていることもあってか、前場にそのような動きはなかった。後場も引き続き上値が重いながらも米国市場待ちの様子見姿勢が強まるのではないか。
ISM製造業購買担当者景気指数が悪かっただけに、週末の雇用統計は注目されるだろう。結果次第では景気減速懸念がさらに高まり株価をさらに重くする可能性がある。今夜は雇用統計の参考となるADP非農業部門雇用者数が午後9時15分に発表される。