前日の米国市場は主要3指数揃って大きく上昇した。米国の決算発表シーズンの先駆けとしてJPモルガン・チェース (NYSE:JPM)、ゴールドマン・サックス (NYSE:GS)、シティグループ (NYSE:C)などの金融セクターやユナイテッドヘルス・グループ (NYSE:UNH)、ジョンソン・エンド・ジョンソン (NYSE:JNJ)などが四半期決算を公表した。ゴールドマン・サックスは予想を下回る決算となったが、JPモルガン・チェースは予想を上回り、同じく好決算だったユナイテッドヘルス・グループとともにダウ平均株価の上昇を牽引した。本日はバンク・オブ・アメリカ (NYSE:BAC)の決算があるが、こちらも好調だと金融株の上昇が加速する可能性がある。ブレグジットに関してEUと英国が合意間近との報道と順調な決算発表はダウ平均を押し上げ、10月1日以来の27000ドルを回復した。
午前10時41分時点で米10年債利回りは1.752%、ドル/円は108.67円と円安にふれている。
上海総合指数は0.57%高、香港ハンセン指数は0.19%高、韓国総合株価指数は0.50%高とアジア市場は上昇。ドル/オフショア人民元は0.29%高、ドル/ウォンは0.16%高となっている。
日経平均株価は2万2522円と大きく上昇し、年初来高値を更新した。米中の部分合意に関し、中国が12月の関税を完全撤回しない限り習主席は署名しないと報道もあるなど、まだ不透明な部分は残る。また香港人権・民主主義法案を米議会が可決したことで、これに対する中国の反発も予想される。ただし日経平均は強く上昇しているが、年末に向け、この勢いが持続するかは怪しいところだ。特に米中関係が悪化すれば大きな株安も予想されるため、APECで米中首脳が署名するまでは少なくとも警戒感を持ち続ける必要はあるだろう。本日は米国で注目の小売売上高が発表予定でもあり、大きな上昇をした後だけに後場は高値持ち合いが続くだろう。