金曜日の米株式市場は主要3指数揃って下落した。中国GDPが市場予想を下回って景気への懸念が高まったことに加え、虚偽報告に揺れるボーイング (NYSE:BA)と自主回収を決定したジョンソンエンドジョンソン (NYSE:JNJ)の株価が急落し、ダウ平均株価は255ドル安の26770.20ドルで終了している。
ボーイングは新型機737MAXの制御システムに関し、機能しない可能性があると知りながら米連邦航空局に報告しなかったとの報道で6.79%の大幅安となった。一方のジョンソンエンドジョンソンは主力のベビーパウダーからアスベストが検出され、自主回収を発表した。値がさ株の両社の下落に引きずられ、ダウ平均が大きく下落した形だ。
土曜日にEUと合意したブレグジット案を下院で採決する予定だったが、下院が離脱に関する法整備を終えるまでは離脱協定案を採決しないという修正案を可決したことで、見送りとなった。これによりジョンソン首相は主張している今月末のブレグジットの延期をEUに申請しなければならなくなり、署名せずにEUに延期要請の書簡を送った。ただし、首相は月末の離脱が可能になるように週明けに離脱協定案の施行法案を下院に提出する意向であり、あくまでも10月31日に離脱すると主張している。混迷が続くブレグジット問題もようやく結論が出る可能性があったが、またもや不透明感が強まった形だ。
午前7時30分時点で米10年債利回りは1.754%、ドル/円は108.36円と円高方向にふれている。ドル/オフショア人民元は7.0731、ドル/ウォンは1,178.91とそれぞれドルに対し上昇した。日経225先物は2万2500円となっている。
本日の日経平均株価は米株式市場の下落を受けて上値が重くなるだろう。明日は天皇即位で祝日となり、上値追いも期待しにくい。株高の1つの要因だったブレグジットも不透明感が高まっている。金曜日までの3日連続の上髭は上値の重さを示しており、これらにより本日は2万2400~2550円での推移が予想される。2万2400円を割る場面も十分ありうるが、先週末の日経225先物の動きを見ても強さが目立っており、押し目として買いが集まり2万2400円台に戻す動きが強まる可能性がある。