[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米国株式市場は下落して取引を終えた。米国のイラク空爆により中東での緊張が高まったほか、低調だった米製造業指標を受け、経済成長鈍化への懸念が広がった。
この日の下げにより、S&P500は週間でマイナスに転じ、6週ぶりの下落となった。
米国防総省は、イラクの首都バグダッドの空港で現地時間3日未明、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官(62)らを乗せた車列を空爆し、同司令官を殺害したと発表。一方、イラン側は報復を予告するなど反発を強めており、米イランの対立激化懸念から安全資産への買いが強まった。
また米供給管理協会(ISM)がこの日公表した2019年12月の製造業景気指数が09年6月以来10年半ぶりの低水準をつけたことも投資感心理に影を落とした。
ロバート・W・ベアードの市場ストラテジスト、マイケル・アントネッリ氏は、米国株が買われすぎているという見方に製造業指数の落ち込みと地政学的なリスクが加わったと述べた。
セクター別では銀行株<.SPXBK>が1.6%安。指標米10年債利回り (US10YT=RR)が12月12日以来の低水準を付けたことを受けた。
原油価格が約3%上昇したことを受け、航空株も下落。米アメリカン航空グループ (O:AAL)が5%安、ユナイテッド航空 (O:UAL)が2.1%安となった。
S&P11業種中で上昇したのはディフェンシブ性の強い不動産株<.SPLRCR>と公益株 (SPLRCU)のみだった。
また米空爆を受け防衛関連株も上昇。ノースロップ・グラマン (N:NOC)が5.4%高、ロッキード・マーチン (N:LMT)が3.6%高となり、S&P500構成銘柄で値上がり上位だった。
一方、バンテージポイント・インベストメント・アドバイザーズの最高投資責任者(CIO)、ウェイン・ウィッカー氏は、空爆による市場の混乱は短期的なものにとどまるとの見方を示した。
週間ではダウが0.04%安、S&P500が0.17%安となる一方、ナスダックは0.16%上昇した。
個別銘柄では、テスラ (O:TSLA)が3%上昇し最高値を更新。第4・四半期の引き渡し台数が予想を上回った。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.14対1の比率で上回った。ナスダックでも1.71対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は74億7000万株。直近20営業日の平均68億7000万株を上回った。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 28634.8 -233.92 -0.81 28553. 28716. 28500. (DJI)
8 33 31 36
前営業日終値 28868.8
0
ナスダック総合 9020.77 -71.42 -0.79 8976.4 9065.7 8976.4 (IXIC)
3 6 3
前営業日終値 9092.19
S&P総合500種 3234.85 -23.00 -0.71 3226.3 3246.1 3222.3 (SPX)
6 5 4
前営業日終値 3257.85
ダウ輸送株20種 10911.4 -82.91 -0.75 (DJT)
0
ダウ公共株15種 867.44 +0.62 +0.07 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1853.98 -33.93 -1.80 (SOX)
VIX指数 14.02 +1.55 +12.43 (VIX)
S&P一般消費財 990.50 -8.51 -0.85 (SPLRCD)
S&P素材 374.88 -6.19 -1.62 (SPLRCM)
S&P工業 699.23 -0.82 -0.12 (SPLRCI)
S&P主要消費財 640.55 -1.12 -0.17 (SPLRCS)
S&P金融 510.52 -5.69 -1.10 (SPSY)
S&P不動産 239.06 +1.92 +0.81 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 458.77 -1.57 -0.34 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1180.33 -10.12 -0.85 (SPXHC)
S&P通信サービス 183.01 -1.02 -0.55 (SPLRCL)
S&P情報技術 1621.68 -17.44 -1.06 (SPLRCT)
S&P公益事業 324.18 +0.36 +0.11 (SPLRCU)
NYSE出来高 9.79億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 23315 - 325 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物3月限 円建て 23290 - 350 大阪比 <0#NIY:>