[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米国株式市場は終盤にかけて買いが強まり上昇して取引を終えた。感染拡大が続く新型コロナウイルスによる肺炎について、国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言した世界保健機関(WHO)の当局者発言が背景。また、この日発表された企業決算はまちまちの内容だった。
WHOのテドロス事務局長は30日開いた緊急会合後、国際的な緊急事態に相当すると発表。その上で、過去数週間に前例のない感染の広がりに前例のない対応が取られていると指摘。中国との取引や旅行の制限は提言しないと述べた。[nL4N29Z4QY]
ナショナル証券の主席市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「市場はある時点で(感染拡大が)頭打ちになり、状況が改善していくと考え始めている。予防措置が取られており、ある時点でトンネルの先に光が見えてくることを意味している。その時には市場は建設的に反応する」と述べた。
フェイスブック (O:FB)は6.14%急落。同社は事業の成熟化を背景に、業績の伸びが鈍化するとの見通しを示したほか、第4・四半期の経費が大幅に増加した。
同社株の下げが重しとなり、S&P通信サービス株指数 (SPLRCL)は0.79%下落した。一方、公益事業株 (SPLRCU)や主要消費財株 (SPLRCS)といった景気の先行きが不透明な局面で安全性が高いとされるディフェンシブセクターは上昇した。
新型ウイルスの感染拡大で世界的に渡航制限が導入され、複数の企業が中国事業を停止する中、主要株価3指数は2週連続で下落する見通しだ。
リフィニティブのデータによると、S&P総合500種 (SPX)採用企業の第4・四半期は0.7%の増益になる見込み。0.6%減益が予想されていた決算シーズン開始時点から決算への期待は徐々に高まっている。
マイクロソフト (O:MSFT)は2.82%高。クラウドサービスの「Azure(アジュール)」の売上高の伸びが寄与し、10─12月期利益が予想を上回った。
電気自動車(EV)メーカーのテスラ (O:TSLA)は10.30%急伸。納車台数が過去最高水準に達し、2四半期連続で黒字を確保したことが好感された。
たばこ大手のアルトリア・グループ (N:MO)は4.21%安。電子たばこ大手ジュール・ラブズへの投資に絡んで40億ドルの追加費用を計上したことが嫌気された。
通期利益見通しが予想を下回った宅配便大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS) (N:UPS)は6.70%急落した。
第4・四半期売上高が予想を上回ったアマゾン・ドット・コム (O:AMZN)は引け後の時間外取引で10%値上がりした。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.01対1の比率で上回った。ナスダックでは1.32対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約77億2000万株。直近20営業日の平均は75億4000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 28859.44 +124.99 +0.43 28640.16 28879.71 28489.76 (DJI)
前営業日終値 28734.45
ナスダック総合 9298.93 +23.77 +0.26 9211.15 9303.00 9185.18 (IXIC)
前営業日終値 9275.16
S&P総合500種 3283.66 +10.26 +0.31 3256.45 3285.91 3242.80 (SPX)
前営業日終値 3273.40
ダウ輸送株20種 10833.17 -72.47 -0.66 (DJT)
ダウ公共株15種 943.03 +7.93 +0.85 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1855.80 -2.90 -0.16 (SOX)
VIX指数 15.43 -0.96 -5.86 (VIX)
S&P一般消費財 983.92 -0.73 -0.07 (SPLRCD)
S&P素材 370.16 -2.19 -0.59 (SPLRCM)
S&P工業 700.16 +0.59 +0.08 (SPLRCI)
S&P主要消費財 655.54 +6.81 +1.05 (SPLRCS)
S&P金融 507.35 +6.26 +1.25 (SPSY)
S&P不動産 246.98 +0.65 +0.26 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 418.79 +3.67 +0.88 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1177.34 -9.20 -0.78 (SPXHC)
S&P通信サービス 185.19 -1.48 -0.79 (SPLRCL)
S&P情報技術 1720.68 +15.07 +0.88 (SPLRCT)
S&P公益事業 351.64 +3.11 +0.89 (SPLRCU)
NYSE出来高 9.42億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 23210 + 240 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物3月限 円建て 23195 + 225 大阪比 <0#NIY:>
*内容を追加します。
(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)