[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場は反発し、S&P総合500種とナスダック総合は終値ベースで過去最高値を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大で混乱した中国の春節(旧正月)が明け、中国企業が順次操業を再開していることが押し上げ要因となった。
この日は特にアマゾン・ドット・コム (O:AMZN)、マイクロソフト (O:MSFT)、グーグルの持ち株会社アルファベット (O:GOOGL)などに買いが入ったことで、主要3指数はそろって上昇した。
中国を発生源とする新型ウイルスについては世界保健機関(WHO)がこの日、中国に渡航歴のない患者からの感染がより広範な流行につながるきっかけになる可能性があると懸念を表明。テドロス事務局長は、中国に渡航歴のない患者からの感染について「懸念される症例」が出ているとし、「より大火を引き起こす火花になり得る」との懸念を示した。
新型ウイルスに対する懸念は払拭されていないものの、市場関係者は中国政府がこのほど刺激策を発表したことに加え、米企業決算が全般的に好調で、米経済指標も堅調な中、米株に買いが入っているとの見方を示している。
キングズビュー・アセット・マネジメント(シカゴ)のポートフォリオ・マネジャー、ポール・ノルテ氏は「中国政府が投入した刺激策は世界中に拡散し、買いが刺激されている」と指摘。「米経済は成長している」とし、米株に買いを入れる根拠となっていると述べた。
第4・四半期の米企業決算発表は終盤に差し掛かり、S&P総合500種構成銘柄のうち324社がこれまでに決算を発表。リフィニティブによると、このうち70.7%が市場予想を上回った。アナリストは第4・四半期の企業利益は合算で前年同期比2.3%増になると予想。1月1日時点では0.3%減が予想されていた。
個別銘柄ではテスラ (O:TSLA)が3.1%高。上海の工場が操業を再開したことが好感された。
医薬品大手イーライリリー (N:LLY)は0.6%安。スイスの製薬大手ロシュ (S:ROG)と共同開発しているアルツハイマー型認知症の治療薬の効果が確認できかなかったことが嫌気された。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.50対1の比率で上回った。ナスダックでも1.46対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は66億株。直近20営業日の平均は76億6000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 29276.82 +174.31 +0.60 28995.6 29278.0 28995.6 (DJI)
6 7 6
前営業日終値 29102.51
ナスダック総合 9628.39 +107.88 +1.13 9493.63 9628.66 9493.63 (IXIC)
前営業日終値 9520.51
S&P総合500種 3352.09 +24.38 +0.73 3318.28 3352.26 3317.77 (SPX)
前営業日終値 3327.71
ダウ輸送株20種 10866.58 +8.85 +0.08 (DJT)
ダウ公共株15種 934.97 +3.14 +0.34 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1892.80 +28.44 +1.53 (SOX)
VIX指数 15.04 -0.43 -2.78 (VIX)
S&P一般消費財 1028.76 +12.76 +1.26 (SPLRCD)
S&P素材 377.33 +0.06 +0.01 (SPLRCM)
S&P工業 709.17 +3.97 +0.56 (SPLRCI)
S&P主要消費財 662.48 +2.47 +0.37 (SPLRCS)
S&P金融 513.56 +1.07 +0.21 (SPSY)
S&P不動産 250.82 +3.04 +1.23
S&Pエネルギー 405.24 -3.31 -0.81 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1205.41 +6.14 +0.51 (SPXHC)
S&P通信サービス 190.46 +1.58 +0.83 (SPLRCL)
S&P情報技術 1772.36 +23.62 +1.35 (SPLRCT)
S&P公益事業 349.06 +1.17 +0.34 (SPLRCU)
NYSE出来高 8.75億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 23700 + 60 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 23685 + 45 大阪比