[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米国株式市場は暴落。ダウ平均株価 (DJI)は2352ドル値下がりし、過去最大の下げ幅を記録したほか、下落率も約10%と1987年10月のブラックマンデー以降で最大になった。トランプ米大統領が11日、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため、英国を除く欧州からの入国禁止を発表したことが嫌気され、世界各国で株安が加速した。
S&P総合500種指数 (SPX)とナスダックは2月に付けた最高値から20%超下落し、金融危機以来の弱気相場入りとなった。ダウも前日に弱気相場入りしており、米国史上最長の強気相場は終わりを迎えた。
ノバポイント(ジョージア州)のジョゼフ・ストローカ最高投資責任者(CIO)は「市場はこれまでのコロナ対策が十分でないと感じており、これが売り継続につながっている」とした上で、「市民生活が通常に戻る見通しが全く立たない。著名な組織や教育機関、スポーツ団体などが相次いでイベントの中止を決めている」と述べた。
欧州からの入国制限を受け、航空株<.SPCOMAIR>が19.6%急落。原油価格も下落し、S&P500エネルギー指数 (SPNY)は12.3%安となった。
米連邦準備理事会(FRB)の金融調節を担うニューヨーク連銀は12日、1兆5000億ドル規模の追加レポオペを実施すると発表した。さらに継続中の国債購入については、幅広い銘柄を買い入れの対象にする方針を示した。
FRBは前週実施した緊急利下げに続き、17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決定すると予想されている。
金利に敏感な銀行株<.SPXBK>は10.5%下落。企業が融資枠の利用に動く中、信用懸念から債券ファンドも打撃を受けた。
このほか、個別銘柄ではボーイング (N:BA)が18.1%急落。JPモルガンが投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げたことを嫌気した。
S&P500の主要11セクターはいずれも大幅なマイナスで引けた。
米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数) (VIX)は2008年11月以来の水準に上昇した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を23.77対1の比率で上回った。ナスダックでも17.69対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は185億4000万株。直近20営業日の平均は124億9000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 21200.62 -2,352.6 -9.99 22184.7 22837.9 21154.4 (DJI)
0 1 5 6
前営業日終値 23553.22
ナスダック総合 7201.80 -750.25 -9.43 7398.58 7712.33 7194.67 (IXIC)
前営業日終値 7952.05
S&P総合500種 2480.64 -260.74 -9.51 2630.86 2660.95 2478.86 (SPX)
前営業日終値 2741.38
ダウ輸送株20種 7259.02 -867.07 -10.67 (DJT)
ダウ公共株15種 723.88 -88.56 -10.90 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1392.11 -170.43 -10.91 (SOX)
VIX指数 75.06 +21.16 +39.26 (VIX)
S&P一般消費財 766.60 -83.24 -9.79 (SPLRCD)
S&P素材 271.97 -28.93 -9.62 (SPLRCM)
S&P工業 490.22 -56.46 -10.33 (SPLRCI)
S&P主要消費財 537.00 -54.64 -9.23 (SPLRCS)
S&P金融 336.66 -40.64 -10.77 (SPSY)
S&P不動産 200.75 -19.12 -8.70 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 221.69 -31.08 -12.30 (SPNY)
S&Pヘルスケア 985.40 -78.87 -7.41 (SPXHC)
S&P通信サービス 144.33 -14.12 -8.91 (SPLRCL)
S&P情報技術 1319.10 -143.90 -9.84 (SPLRCT)
S&P公益事業 275.20 -31.24 -10.20 (SPLRCU)
NYSE出来高 22.00億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 17155 - 985 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物6月限 円建て 16855 - 1285 大阪比 <0#NIY:>
*内容を追加します。