[18日 ロイター] - 米国株式市場は大幅反落。新型コロナウイルスを巡る懸念から、最近の売りが再び強まった。ダウ平均 (DJI)は1338ドル下落し、2017年のトランプ大統領就任以降に記録した上げを全て失った。
S&P総合500種 (SPX)は下げ幅を縮小して引けたが、それでも5.2%安。2月19日の終値ベースの最高値から約29%下落している。
ホテルや空港では利用客が急減し、航空会社は損失抑制に向け従業員に無給休暇の取得を要請。これを受け、S&P1500航空株<.SPCOMAIR>が20.8%安となり、ヒルトン (N:HLT)、マリオット (O:MAR)、ハイアット (N:H)などのホテル株が12─19%値下がりした。
エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ネラ・リチャードソン氏は「市場は恐怖と不確実性に反応しており、株価が底値を付けるまでは終わらないだろう。底値形成には新型コロナの感染拡大を封じ込め、経済的損害を限定する必要がある」と述べた。
トランプ大統領は約500億ドルの航空業界支援策に加え、総額5000億ドルの現金給付案を議会に提案したが、株安に歯止めはかからなかった。
JPモルガンは新型コロナの影響により、米経済が今四半期に4%、次の四半期に14%縮小し、通年では1.5%縮小する可能性が高いと発表した。
取引時間中にはS&P500が7%安となったことを受け、取引が15分間停止された。投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数) (VIX)は76.45に上昇した。
米原油先物がこの日約17%下落して18年ぶりの安値を付けたことを受け、S&Pエネルギー (SPNY)は終値で2003年以来の安値となった。
デフォルト(債務不履行)や評価損の計上が相次ぐとの懸念から銀行株も売られ、S&P銀行株指数<.SPXBK>は7.9%安となった。
航空機大手ボーイング (N:BA)は17.9%の大幅安。
バンテージポイント・インベストメント・アドバイザーズの最高投資責任者(CIO)、ウェイン・ウィッカー氏は「市場は2月初めには怖いもの知らずのような勢いがあったが、そこからきょうのように希望を失った状況に陥っている」と指摘した。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を12.71対1の比率で上回った。ナスダックでは8.79対1で値下がり銘柄数が多かった。
S&P500構成銘柄では、5銘柄が52週高値を更新し、294銘柄が新安値を付けた。ナスダック構成銘柄では11銘柄が新高値を更新し、1214銘柄が新安値を付けた。
米取引所の合算出来高は185億1000万株。直近20営業日の平均は146億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 19898.92 -1,338.46 -6.30 20188.69 20489.33 18917.46 (DJI)
前営業日終値 21237.38
ナスダック総合 6989.84 -344.94 -4.70 6902.32 7182.83 6686.36 (IXIC)
前営業日終値 7334.78
S&P総合500種 2398.10 -131.09 -5.18 2436.50 2453.57 2280.52 (SPX)
前営業日終値 2529.19
ダウ輸送株20種 6971.44 -496.79 -6.65 (DJT)
ダウ公共株15種 737.25 -32.44 -4.22 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1286.84 -139.68 -9.79 (SOX)
VIX指数 76.45 +0.54 +0.71 (VIX)
S&P一般消費財 707.13 -36.65 -4.93 (SPLRCD)
S&P素材 257.74 -16.92 -6.16 (SPLRCM)
S&P工業 452.86 -34.89 -7.15 (SPLRCI)
S&P主要消費財 568.91 -17.99 -3.07 (SPLRCS)
S&P金融 316.10 -30.68 -8.85 (SPSY)
S&P不動産 180.10 -14.52 -7.46 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 179.94 -29.98 -14.28 (SPNY)
S&Pヘルスケア 973.71 -34.24 -3.40 (SPXHC)
S&P通信サービス 142.65 -4.13 -2.82 (SPLRCL)
S&P情報技術 1295.23 -62.30 -4.59 (SPLRCT)
S&P公益事業 277.16 -13.48 -4.64 (SPLRCU)
NYSE出来高 19.59億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 16735 + 225 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物6月限 円建て 16530 + 20 大阪比 <0#NIY:>