[21日 ロイター] - 米国株の空売り投資家は、過去1カ月の株価急落局面で大きな利益を手にした。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により経済見通しが悪化するなか、空売りの増加は弱地合いが好転する兆しが全くないことを示唆している。
空売り投資家は、現物の株式を保有せずに証券会社を通じて借りた株を売却、値下がりしてから買い戻して利益を得ることを狙う。
金融分析会社、S3パートナーズの最新のデータによると、S&P総合500種指数 (SPX)とナスダック総合指数 (IXIC)が過去最高値を更新した2月19日から3月19日にかけて、米国株の空売り投資家は帳簿上で3440億ドル近くの利益を得た。
空売りされた株式の時価総額は2月19日の9587億7000万ドルから、3月19日には6560億8000万ドルに落ち込んだという。空売りされた株式の時価基準での総額が3436億7000万ドル減少したことに加え、空売りのエクスポージャーがネットで409億8000万ドル増えた。
S3のマネジングディレクターは「現時点で全セクターの8割で空売りが活発だ。これは市場の地合いが依然としてネガティブなことを意味する」と語った。
空売りが最も増えたセクターはテクノロジーサービスで、39億4000万ドル増加した。その次はヘルスケアサービスで38億5000万ドル増えた。