[2日 ロイター] - 米国株式市場は上昇し、ダウ平均株価 (DJI)は469ドル値上がりした。トランプ米大統領の発言をきっかけにサウジアラビアとロシアが大幅減産で合意するとの期待が高まり、原油価格が急騰。石油株に買いが入り、朝方発表された週間新規失業保険申請件数急増の影響が相殺された。
この日はサウジが石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」による緊急会合の開催を要請したと伝わったほか、トランプ米大統領が原油の協調減産を巡りサウジとロシアを仲介したことを明らかにし、両国が最大で日量1500万バレルの減産に踏み切る可能性があるとの見通しを示した。これを受け、米WTI先物 (CLc1)の清算値は24.7%、北海ブレント先物 (LCOc1)は21.5%上昇した。上昇率はともに過去最大。
S&Pエネルギー株指数 (SPNY)は原油価格がサウジとロシアの価格戦争で急落したことを受け年初から50%を超えて下落していたが、この日は9.08%上昇した。
ただ、それでも主要3指数は終盤の取引でこの日の最高値近辺に上昇するまではマイナス圏とプラス圏を行きつ戻りつしていた。TDアメリトレード(シカゴ)の首席市場ストラテジスト、JJ・キナハン氏は「あまりにもひどく売り込まれていたため、多くの市場参加者が過度に売られていたと認識しない限り上昇しない状態になっている」と述べた。
この日は原油関連株が買われ、オキシデンタル・ペトロリアム (N:OXY)は18.9%高。アパッチ (N:APA)とハリバートン (N:HAL)も上昇率は2桁台に乗せた。ただ原油価格が上昇しても、米シェールオイル生産会社が苦境から脱するには十分でない可能性がある。
航空機大手ボーイング (N:BA)は5.68%安。カルホーン最高経営責任者(CEO)はこの日、早期退職優遇制度の導入を従業員向けメモで明らかにすると同時に、新型コロナウイルス流行による世界の航空業界への影響が長期化すると警告した。
労働省が朝方発表した3月28日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は664万8000件と、前週の330万7000件(上方改定)から倍増し、2週連続で過去最多を更新。TDアメリトレードのキナハン氏は「あまりにもひどい数字だった。市場は経済指標の一段の悪化に備えているのだろう」としている。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.61対1の比率で上回った。ナスダックでは1.34対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は126億4000万株。直近20営業日の平均は158億7000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 21413.44 +469.93 +2.24 20819.4 21477. 20735. (DJI)
6 77 02
前営業日終値 20943.51
ナスダック総合 7487.31 +126.73 +1.72 7317.45 7501.7 7307.9 (IXIC)
0 5
前営業日終値 7360.58
S&P総合500種 2526.90 +56.40 +2.28 2458.54 2533.2 2455.7 (SPX)
2 9
前営業日終値 2470.50
ダウ輸送株20種 7445.71 +93.13 +1.27 (DJT)
ダウ公共株15種 729.36 +21.32 +3.01 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1474.61 +46.88 +3.28 (SOX)
VIX指数 50.68 -6.38 -11.18 (VIX)
S&P一般消費財 764.32 +2.66 +0.35 (SPLRCD)
S&P素材 274.27 +4.05 +1.50 (SPLRCM)
S&P工業 483.20 +6.96 +1.46 (SPLRCI)
S&P主要消費財 566.00 +15.92 +2.89 (SPLRCS)
S&P金融 333.40 +8.03 +2.47 (SPSY)
S&P不動産 183.29 +2.42 +1.34 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 232.37 +19.33 +9.08 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1020.68 +27.66 +2.79 (SPXHC)
S&P通信サービス 147.07 +2.63 +1.82 (SPLRCL)
S&P情報技術 1378.36 +30.68 +2.28 (SPLRCT)
S&P公益事業 272.85 +8.32 +3.15 (SPLRCU)
NYSE出来高 13.75億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 18280 + 420 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物6月限 円建て 18080 + 220 大阪比 <0#NIY:>