[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米国株式市場は、政府の刺激策で景気が回復するとの期待が高まる中、ダウ平均株価 (DJI)が580ドル上昇して終了した。航空機大手ボーイング (N:BA)に買いが入ったことも押し上げ要因となった。
ボーイング (N:BA)は14%超値上がり。相次ぐ墜落事故を受け運航停止となっている737MAXの運航再開に向け、29日に試験飛行を開始した。
S&P総合500種指数 (SPX)は四半期ベースの伸びが17%超と、1998年以降で最高となる勢いだが、月間ベースでは反対に小幅なマイナスとなっている。
ベアード(ミルウォーキー)の投資ストラテジスト、ウィリー・デルウィッチ氏は「値上がりしたり、値下がりしたりと振れは激しいものの、総じて見ると相場はどこにも向かっていない」とした上で「これが今月の相場の特徴といえる。一日一日の動きが派手に見えても、20日間の動きを足してみればゼロだ」と述べた。
新型コロナ感染症による死者は世界全体で50万人に達したほか、世界の累計の感染者数は1000万人を突破した。死者数の増加ペースはこの数週間で落ち着きつつあるものの、公衆衛生の専門家らは、米国やインド、ブラジルでの新規感染者数の記録的な増加や、アジアの一部諸国における感染再拡大に懸念を示している。
こうした中、ギリアド・サイエンシズ (O:GILD)は、コロナ治療薬として使用されている抗ウイルス薬「レムデシビル」の1回分(5日間)の価格を2340ドルに設定した。同社株はほぼ変わらず。
業種別ではS&Pの主要11業種全てが値上がりし、工業株が好調だった。
S&P500は3月23日に付けた安値から約36%値を戻し、この日の値上がりで200日移動平均線を上抜けた。
市場は追加の景気対策に期待する。モルガン・スタンレーのアナリストらは、追加対策が景気のV字回復には欠かせないと指摘した。
ブラックロック・インベストメント・インスティチュートは、財政刺激効果の剥落やコロナ感染の継続、米中対立の再燃などを背景に米国株への投資判断を「ニュートラル」に引き下げた。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.02対1の比率で上回った。ナスダックでも1.96対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は105億7000万株。直近20営業日の平均は135億4000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 25595.80 +580.25 +2.32 25152.4 25601.1 25096.1 (DJI)
5 5 6
前営業日終値 25015.55
ナスダック総合 9874.15 +116.93 +1.20 9771.72 9877.34 9663.61 (IXIC)
前営業日終値 9757.22
S&P総合500種 3053.24 +44.19 +1.47 3018.59 3053.89 2999.74 (SPX)
前営業日終値 3009.05
ダウ輸送株20種 9052.64 +246.90 +2.80 (DJT)
ダウ公共株15種 764.39 +14.99 +2.00 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1943.90 +21.98 +1.14 (SOX)
VIX指数 31.93 -2.80 -8.06 (VIX)
S&P一般消費財 1033.56 +13.53 +1.33 (SPLRCD)
S&P素材 349.84 +6.57 +1.91 (SPLRCM)
S&P工業 577.25 +17.85 +3.19 (SPLRCI)
S&P主要消費財 596.52 +10.83 +1.85 (SPLRCS)
S&P金融 379.56 +3.72 +0.99 (SPSY)
S&P不動産 213.00 +3.55 +1.70 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 281.26 +3.96 +1.43 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1147.04 +9.67 +0.85 (SPXHC)
S&P通信サービス 177.53 +3.56 +2.04 (SPLRCL)
S&P情報技術 1805.46 +19.78 +1.11 (SPLRCT)
S&P公益事業 285.79 +5.23 +1.86 (SPLRCU)
NYSE出来高 9.30億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 22385 + 335 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物9月限 円建て 22335 + 285 大阪比 <0#NIY:>