[上海/香港 9日 ロイター] - 上昇が続く中国株式市場から、割安感が目立つ香港市場への投資資金流入が加速している。
政府支援や積極的な個人からの買いを背景に、中国株のCSI300指数 (CSI300)は最近5年ぶり高値を更新した。
しかし中国の投資家や証券会社は、上昇が緩やかな香港株への関心を強めている。
中国A株は香港のH株より平均で35%高い水準にあり、その差は1カ月前の23%から拡大している。
米中関係の悪化を背景に、米上場の中国のインターネット関連企業が第2の上場先として香港を選んでいることも関連している。
BOCOMインターナショナルのマネジングディレクター、ハオ・ホン氏は「資本が香港に流れている。米中関係の悪化とともに、香港は米国上場の有力中国企業の受け皿となっている」と指摘した。
リーガン・ファンド・マネジメントのゼネラルマネジャー、リチャード・リー氏は香港市場について「中国企業の上場はまだ続く。こうした投資機会は少なくとも2年続き、リターンは年率20%になる可能性がある」と述べた。
香港で中国国家安全維持法が施行されたものの、香港株に対する中国からの関心は高まる一方となっている。中国・香港の株式相互取引を通じた本土から香港株への買い越しは、上半期に3000億香港ドル(387億1000万ドル)に達し、昨年1年間を上回った。
中芯国際集成電路製造(SMIC) (HK:0981)の香港上場株が230%急騰した背景にも、中国マネーが関連している。同社は上海市場に上場する計画で、かなりのバリュエーションが見込まれている。