[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米国株式市場は大幅に続伸して取引を終えた。3日に投開票された米大統領選は、4日に入っても勝敗の行方が決まらず不透明感が漂っているが、上院選で民主党の過半数獲得が厳しい情勢となっていることから、議会で膠着状態が続き大きな政策転換はなさそうだとの楽観的な見方が高まった。
大統領選までの数カ月間と状況は変わらないとの見方から、この期間にバリュー株 (RLV)をアウトパフォームしてきた成長株 (RLG)が買われた。
民主党候補のバイデン氏は4日夜の時点でウィスコンシン州でわずかにリードを保っている。一方、トランプ氏の陣営は同州で票の集計停止を求めて提訴した。
大統領選と同時に実施された上院選では、メーン州で共和党現職のスーザン・コリンズ氏が、民主党のサラ・ギディオン氏に予想外に勝利し、共和党が上院で多数派を維持する可能性が高まっている。
アメリプライズ・フィナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、デビッド・ジョイ氏は「大統領選でバイデン氏が勝利したとしても、議会のねじれは解消されないとみられ、財政面で大きな変化が生じる可能性はかなり低い。これがきょうの市場に織り込まれた」と指摘。
「これまでと同様の経済状況が続くのであれば、比較的厳しい業績環境の中、以前と同じ勝者に利益を求めることになる」と話した。
S&P総合500種 (SPX)は1日の上昇率としては6月5日以来、ナスダック総合 (IXIC)は4月14日以来の大きさを記録した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.36対1の比率で上回った。ナスダックでは1.26対1で値上がり銘柄数が多かった。
S&Pヘルスケア株指数 (SPXHC)は4.45%上昇し、過去最高値で終了。約7カ月ぶりの大幅な上昇率となった。情報技術株 (SPLRCT)も大きく値上がりした。議会のねじれが続けば、反トラスト法(独占禁止法)を巡る監視強化や医療保険制度改革法(オバマケア)の一部復活などが実施される可能性が低下するとの見方が背景。
アップル (O:AAPL)やアマゾン・ドット・コム (O:AMZN)などハイテク5社「FAANG」を含むニューヨーク証券取引所のFAANG+TM指数 (NYFANG)は4.34%上昇。
国防予算削減の可能性が低下するとの見方から防衛関連銘柄のノースロップ・グルーマン (N:NOC)、ロッキード・マーチン (N:LMT)、レイセオン (N:RTX)も全て上昇。
製薬大手ファイザー (N:PFE)、メルク (N:MRK)、ジョンソン・エンドジョンソン(J&J) (N:JNJ)も上昇。ねじれ議会により、業界の大規模な改革は難しいとの見方が背景。
米取引所の合算出来高は103億9000万株。直近20営業日の平均は90億9000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 27847.66 +367.63 +1.34 27512.8 28301.5 27512. (DJI)
3 0 83
前営業日終値 27480.03
ナスダック総合 11590.78 +430.21 +3.85 11443.7 11663.3 11394. (IXIC)
8 1 21
前営業日終値 11160.57
S&P総合500種 3443.53 +74.37 +2.21 3406.46 3486.25 3405.1 (SPX)
7
前営業日終値 3369.16
ダウ輸送株20種 11391.91 -168.05 -1.45 (DJT)
ダウ公共株15種 877.69 -12.09 -1.36 (DJU)
フィラデルフィア半導体 2383.26 +80.53 +3.50 (SOX)
VIX指数 29.78 -5.77 -16.23 (VIX)
S&P一般消費財 1237.02 +37.64 +3.14 (SPLRCD)
S&P素材 409.83 -6.88 -1.65 (SPLRCM)
S&P工業 670.97 -6.72 -0.99 (SPLRCI)
S&P主要消費財 660.78 +0.37 +0.06 (SPLRCS)
S&P金融 407.42 -5.23 -1.27 (SPSY)
S&P不動産 220.98 +0.62 +0.28 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 223.45 +0.36 +0.16 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1277.71 +54.41 +4.45 (SPXHC)
S&P通信サービス 207.99 +8.48 +4.25 (SPLRCL)
S&P情報技術 2066.85 +76.29 +3.83 (SPLRCT)
S&P公益事業 323.47 -5.24 -1.60 (SPLRCU)
NYSE出来高 8.16億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 23905 + 165 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物12月限 円建て 23885 + 145 大阪比 <0#NIY:>
(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)