[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米国株式市場はダウ工業株30種とS&P総合500種が大幅上昇して取引を終えた。新型コロナウイルス感染症ワクチンの後期臨床試験(治験)で高い効果を示す結果が報告され、全面的な経済活動再開への期待が高まった。ただ、いずれも終値ベースでの最高値は下回った。
米製薬大手ファイザー (N:PFE)は9日、独バイオ医薬ベンチャーのビオンテック (O:BNTX)と共同開発する新型コロナワクチンの治験で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表した。
これを受けて原油価格が8%超急伸し、エネルギー株を押し上げた。
米大統領選で民主党のバイデン前副大統領の勝利が週末に報じられたことも、不透明感の解消につながった。
ベアードの市場ストラテジスト、マイケル・アントネッリ氏は「選挙を巡る不透明感が消えつつあるところにワクチンのニュースが伝わり、投資家の熱気が高まった」とし、「コロナ禍前の生活に戻ることで恩恵を受けるあらゆる企業が大きく上昇している」と語った。
ただ、終盤にかけてS&Pは上げ幅を縮小。米共和上院トップのマコネル院内総務が、トランプ大統領には米大統領選の「不正」を調べる権利が完全にあるとの見方を示した。
午前の株価上昇を受けて利益確定売りが出たとの声も聞かれた。
S&P500の主要11セクターではエネルギー (SPNY)が上げを主導し、数カ月ぶりの高い上昇率を記録。需要回復への期待が支援した。
景気全体の動向を反映するとみられる銀行株<.SPXBK>も急伸した。
新型コロナに伴う移動制限やロックダウン(都市封鎖)で打撃を受けている銘柄にも買いが入り、NYSE航空指数 (XAL)は19%高。個別銘柄ではボーイング (N:BA)が14%、クルーズ船運航のカーニバル (N:CCL)が39%、それぞれ急伸した。
半面、テクノロジーセクターや巣ごもり需要で買われてきた銘柄は小幅高もしくは下落となり、ナスダック総合はマイナス圏で引けた。
ネットフリックス (O:NFLX)やアマゾン・ドット・コム (O:AMZN)が売られたほか、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ (O:ZM)やエクササイズバイクのペロトン・インタラクティブ (O:PTON)はともに大幅安となった。
ファイザーは8%近く上昇。一方、バイオジェン (O:BIIB)は約28%急落した。アルツハイマー型認知症治療薬について米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が6日、有効性に否定的な見解を示した。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.22対1の比率で上回った。ナスダックでは1.96対1で値上がり銘柄数が多かった。
*内容を追加しました
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 29157.97 +834.57 +2.95 29467.9 29933.8 29130. (DJI)
0 3 66
前営業日終値 28323.40
ナスダック総合 11723.45 -171.78 -1.44 12046.6 12108.0 11720. (IXIC)
6 7 30
前営業日終値 11895.23
S&P総合500種 3548.36 +38.92 +1.11 3583.04 3645.99 3548.2 (SPX)
0
前営業日終値 3509.44
ダウ輸送株20種 11900.46 +285.81 +2.46 (DJT)
ダウ公共株15種 898.85 +17.09 +1.94 (DJU)
フィラデルフィア半導体 2495.79 -33.48 -1.32 (SOX)
VIX指数 25.67 +0.81 +3.26 (VIX)
S&P一般消費財 1238.56 -20.07 -1.59 (SPLRCD)
S&P素材 436.75 +9.60 +2.25 (SPLRCM)
S&P工業 710.14 +22.98 +3.34 (SPLRCI)
S&P主要消費財 665.86 -3.07 -0.46 (SPLRCS)
S&P金融 447.89 +33.82 +8.17 (SPSY)
S&P不動産 226.42 +5.68 +2.57 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 249.67 +31.09 +14.22 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1291.38 +9.34 +0.73 (SPXHC)
S&P通信サービス 210.94 -0.54 -0.25 (SPLRCL)
S&P情報技術 2122.07 -15.60 -0.73 (SPLRCT)
S&P公益事業 331.70 +5.93 +1.82 (SPLRCU)
NYSE出来高 14.36億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 25450 + 590 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物12月限 円建て 25440 + 580 大阪比 <0#NIY:>
(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)