[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国株式市場は主要3指数が続伸し、S&P総合500種 (SPX)とダウ工業株30種 (DJT)は終値での最高値を更新した。新型コロナウイルス感染症ワクチンに関する新たな明るいニュースが追い風となった。一方、米国内の感染拡大を受けて制限措置を強化する地域も出ている。
バイオ医薬大手のモデルナ (O:MRNA)は16日、新型コロナワクチンの後期臨床試験(治験)で94.5%の効果が確認されたとする暫定結果を発表した。ファイザー (N:PFE)も先週、開発中のワクチンの有効率が90%を超えたと発表しており、安全性が確認され規制当局の承認が得られれば、米国では12月中にも2種類のワクチンの緊急使用が始まり、年内に最大6000万回分のワクチンが利用可能になる可能性が出てきた。
この日はバリュー(割安)株や景気循環株、小型株が相場全体をアウトパフォームし、ラッセル2000指数 (RUT)も終値での最高値を更新した。
旅行関連株が買われ、ユナイテッド航空 (O:UAL)、アメリカン航空 (O:AAL)、カーニバル (N:CCL)、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス (N:NCLH)は4.5─9.7%の大幅高となった。
ただ、米国内では新型コロナの拡大が続いており、感染者数は累計で1100万人を突破。ニュージャージー州やペンシルベニア州フィラデルフィアなど各地で制限措置が強化された。
ダコタ・ウェルスのシニアポートフォリオマネージャー、ロバート・パブリク氏は「市場は6か月から12カ月先を見据えている」とした上で、「それまでに経済にどのような打撃が生じるかという問題がある」と述べた。
S&P500の主要11セクターはヘルスケア (SPXHC)を除いてプラス圏で引け、エネルギー (SPNY)の上げが目立った。
今週は小売り大手の決算が注目される。17日にウォルマート (N:WMT)とホーム・デポ (N:HD)、18日にロウズ (N:LOW)とターゲット (N:TGT)がそれぞれ発表する。17日に商務省が発表する10月の小売売上高統計とともに、消費動向の手がかりとなる見込みだ。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を4.66対1の比率で上回った。ナスダックでは2.55対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は109億株。直近20営業日の平均は102億1000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 29950.44 +470.63 +1.60 29672.36 29964.29 29672.36 (DJI)
前営業日終値 29479.81
ナスダック総合 11924.13 +94.84 +0.80 11847.11 11937.72 11814.89 (IXIC)
前営業日終値 11829.29
S&P総合500種 3626.91 +41.76 +1.16 3600.16 3628.51 3600.16 (SPX)
前営業日終値 3585.15
ダウ輸送株20種 12394.02 +308.70 +2.55 (DJT)
ダウ公共株15種 917.38 +6.47 +0.71 (DJU)
フィラデルフィア半導体 2570.98 +62.16 +2.48 (SOX)
VIX指数 22.45 -0.65 -2.81 (VIX)
S&P一般消費財 1257.53 +12.75 +1.02 (SPLRCD)
S&P素材 441.89 +8.66 +2.00 (SPLRCM)
S&P工業 741.35 +17.94 +2.48 (SPLRCI)
S&P主要消費財 698.69 +5.84 +0.84 (SPLRCS)
S&P金融 458.56 +10.21 +2.28 (SPSY)
S&P不動産 233.38 +1.18 +0.51 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 271.09 +16.54 +6.50 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1302.87 -2.53 -0.19 (SPXHC)
S&P通信サービス 214.49 +1.33 +0.62 (SPLRCL)
S&P情報技術 2150.03 +20.81 +0.98 (SPLRCT)
S&P公益事業 338.09 +3.28 +0.98 (SPLRCU)
NYSE出来高 11.29億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 26180 + 190 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物12月限 円建て 26175 + 185 大阪比 <0#NIY:>