[東京 8日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は1990年8月以来、30年半ぶりに2万9000円を回復した。前場の終値は前営業日比598円99銭高の2万9378円18銭となり大幅続伸。米追加経済対策への期待感から日経平均は朝方から堅調にスタートした後も徐々に騰勢を強め、上げ幅は一時610円超で2万9397円57銭の高値を付けた。TOPIXも底堅く推移し、一時1924.42ポイントを付け、バブル後高値を更新した。
TOPIXは1.72%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆6987億円。東証33業種では、全業種で値上がりとなった。
市場からは「目先としては、経済正常化から次なる経済発展への道筋を模索する動きになるのではないか。きょうは企業決算以外は特段材料もなく、過熱感と経済正常化への期待がもみ合うような展開が予想される」(国内証券)との声が聞かれた。
また、日経平均が短期間で急上昇したことを受け、高値警戒感を指摘する見方も出ている。SMBC信託銀行の投資調査部長、山口真弘氏は「さすがに上昇スピードが速い印象は否めない。2万9000円を回復し達成感が広がりやすい水準でもあり、大引けにかけてどれくらいの水準を保てるかがきょうのポイントになりそうだ」と話す。
個別では、日本製鉄やNTTなど、5日に好決算を発表した銘柄が上昇。また、きょうの引け後に決算発表を控えているソフトバンクグループは5%超高となり、連日のITバブル後高更新となった。好決算への期待で買いが先行した。
東証1部の騰落数は、値上がり1651銘柄に対し、値下がりが458銘柄、変わらずが80銘柄だった。