[トロント 12日 ロイター] - カナダの資産運用会社、パーパス・インベストメンツは12日、世界初となる暗号資産(仮想通貨)ビットコインの上場投資信託(ETF)の発行をカナダ規制当局が承認したと明らかにした。
パーパス・インベストメンツは、オンタリオ証券委員会(OSC)が「パーパス・ビットコインETF」を承認したと声明を発表し、OSCもこれを確認した。
パーパス・インベストメンツは「このETFは、デリバティブ(金融派生商品)ではなく、物理的に決済されたビットコインに直接投資する世界初のものとなり、投資家は暗号通貨という新たな資産クラスに容易に、かつ効率的にアクセスできるようになる」と説明した。
投資家はこれまで、シカゴ先物市場(CME)の先物を利用してビットコイン取引が可能だった。また、トロント証券取引所でビットコイン・ファンドなどのクローズドエンド型のファンドを購入することもできた。
ノースランド・ウェルス・マネジメントのアーサー・サルザー最高経営責任者(CEO)は、プレミアムではなく純資産価値での購入が可能になるなど、ETFは投資家にとり複数の利点があると指摘している。
ニューヨークのCFRAのETFリサーチのディレクター、トッド・ローゼンブルース氏によると、米国では2013年以降、8社がビットコインETF立ち上げを試みたが実現しなかった。
SECは、市場操作の可能性を懸念している他、ファンドの資産保有状況を確認する監査プロセスも課題となっているとみられる。
ローゼンブルース氏は「カナダでビットコインETFが承認されたことで、米国でも承認される可能性があるとの期待も出ている。だが、新政権下でSECはVanEckなどの申請を時間をかけて行うとわれわれは予想している」と述べた。VanEckはニューヨークに拠点を置く資産運用会社。