識学<7049>(東マ)は独自組織運営理論「識学」による組織コンサルティング事業を主力としている。22年2月期は契約企業数増加などで大幅増収増益予想としている。第2四半期累計が順調であり、下期偏重の計画であることを考慮すれば、通期予想は上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は急伸して戻り高値圏だ。自律調整を交えながら21年2月の上場来高値を目指す展開を期待したい。
■独自組織運営理論「識学」による組織コンサルティング事業
独自組織運営理論「識学」による組織コンサルティング事業(マネジメントコンサルティング、プラットフォーム)を主力として、プロバスケットボールチーム「福島ファイヤーボンズ」運営等のスポーツエンタテインメント事業、システム受託開発事業、VCファンド・ハンズオン支援ファンド事業も展開している。21年10月には管理部門特化型「識学×デジタル」によるDX支援サービスを開始した。
「識学」とは誤解や錯覚を排除し、認識共通化や言動改善を通じて、人々の生産性向上を実現するメソッドとしている。マネジメントコンサルティング累計契約社数は22年2月期第2四半期末時点で2571社、20年8月開始したプラットフォーム識学基本サービス契約社数は21年9月時点で402社となった。
中期経営計画では目標値に24年2月期売上高60億円以上、営業利益15億円以上、ROE15%以上を掲げ、成長戦略として講師100名体制(21年9月時点は65名)の実現による組織コンサルティング事業の拡大、新規事業推進による事業領域拡大を推進している。
■22年2月期大幅増収増益予想、さらに上振れの可能性
22年2月期連結業績予想は、売上高が21年2月期比51.6%増の37億98百万円、EBITDAが2.4倍の4億70百万円、営業利益が2.9倍の4億円、経常利益が77.4%増の3億53百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億53百万円(21年2月期は41百万円の赤字)としている。
第2四半期累計は売上高が前年同期比66.4%増の18億01百万円、EBITDAが2億36百万円(前年同期は3百万円)、営業利益が2億01百万円(同24百万円の赤字)、経常利益が1億97百万円(同25百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が1億20百万円(同1億05百万円の赤字)だった。組織コンサルティング事業が65.5%増収と牽引し、想定を上回る大幅増収増益だった。契約企業数が増加し、講師一人当たり売上高も上昇した。
通期予想は据え置いている。第2四半期累計の進捗率は売上高が47.4%、EBITDAが50.2%、営業利益が50.3%と順調だった。組織コンサルティング事業では上期に採用した講師が下期に順次収益化し、スポーツエンタテインメント事業でもBリーグのシーズン期間(10月~4月)に物品売上やチケット収入などが発生するため、期初時点で下期偏重の計画である。これを考慮すれば通期予想は上振れの可能性がありそうだ。なお第3四半期の特別利益に投資有価証券売却益49百万円を計上する。収益拡大を期待したい。
■株価は急伸して上場来高値に接近
株価は急伸して戻り高値圏だ。自律調整を交えながら21年2月の上場来高値を目指す展開を期待したい。10月26日の終値は2160円、時価総額は約165億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)