オミクロン株に関するリスクが意識される中、アジアの株式市場は下落
執筆 Gina Lee
Investing.com – 月曜日のアジア太平洋地域では広範な株式市場で下落がみられ取引を開始した。しかし、新たな変異株が出現を受け、グローバルで経済回復は停滞する可能性があるものの、投資家からのリスク性資産への需要は残存しているため、大きな市場の混乱には至っていない。
日本の 日経平均株価は米国東部時間午後9時5分(グリニッジ標準時午前2時5分)には0.04%の上昇に転じ、韓国の 韓国総合株価指数は0.32%の下落に留まっている。
オーストラリアの ASX 200指数は7,279.30近辺での値動きだ。
香港の 香港ハンセン株価指数も0.11%と下落幅は限定的だ。
中国の上海総合指数は0.42%の低下、 深セン総合指数 は0.02%上昇した。北京大学が発表した研究によると、中国が米国のように経済活動の再開した場合には、中国国内のコロナの感染者数は爆発的に増える可能性があると示唆した。
米国株式も上昇しており、また指標となっている 米国10年債利回りは1.50%を超えるところまで上昇した。先週金曜日に オミクロン株が検出されたことで、リスク性資産は急落していたが、その後市場は落ち着きを取り戻している模様だ。
南アフリカ医師会会長のAngelique Coetzeeおよび同国の保険当局はオミクロン株による症状は現時点においては軽度なものであるとしている。しかし、世界保健機関は詳細な分析結果が出るまでは時間を要し、オミクロン株を「懸念される変異株」に指定した。
モデルナ(NASDAQ:MRNA)の主席医務官であるPaul Burtonは新たな変異株に対応したワクチンは2022年初頭には開発されると話している。
オミクロン株の出現による感染被害は短期的なものに留まるのか、経済回復へのより深刻な逆風になるのかは現時点では不明だが、金融政策の引き締めに関する議論には影響を与える可能性がある。
Bloombergの取材に対してTD Securitiesの金利戦略グローバル統括責任者のPriya Misraは「経済成長への影響を検討するためにはより多くの分析が必要な段階だ。リスク性資産は先行き不透明感を織り込み始めている」とした。
その他の投資家はより楽観的だ。
「コロナウイルスの変異株が蔓延していた中でも、市場は過去最高値を更新してきた。今回も最終的には同じような展開になるだろう」とBloombergからのインタビューにTribeca Investment Partnersのポートフォリオ・マネージャーJun Bei Liuは話している。
先週、市場参加者はFRBによる25bpsの最初の利上げタイミングを2022年6月から7月に1ヶ月後ずれさせた。しかし、アトランタ連銀のプレジデントであるRaphael Bosticは今回の新たな変異株による経済リスクを楽観的なものとしており、インフレ率の抑制のため、資産購入プログラムの縮小を加速させる準備があると話している。