執筆:Gina Lee
Investing.com – 中国恒大集団の一部デフォルトを受けて、金曜日のアジアの株式市場は下落して始まった。オミクロン株による脅威も重しとなり、経済回復の冷水になるとのリスクが意識された。
中国の上海総合指数は米国東部時間午後9時4分(グリニッチ標準時午前2時4分) に0.25%下落した一方で、深セン成分指数は0.41%下落している。中国恒大集団および カイサ(佳兆)・グループ(HK:1638)は正式に米ドル建て負債のデフォルトを発表した。
フィッチは猶予期間が終わる月曜日までに2つクーポン支払いができなかった中国恒大集団が「一部デフォルト」したと発表した。またフィッチはカイサは火曜日に償還される予定であった400百万ドルの債券の返済ができなかったことから同じく一部デフォルトとした。
中国人民銀行は今年2回目となる外貨準備預金比率の引き上げを行い、これは2018年以来最大の引き上げとなった。これを受けて、オフショア人民元は2021年6月以来の下落を記録した。
香港のハンセン指数は0.30%低下。
日本の日経平均株価指数は0.49%、韓国のKOSPIは0.47%それぞれ低下している。
オーストラリアのS&P/ASX 200の下落幅は0.45%だ。
オミクロン株について、初期段階ではデルタ株よりも感染力が4.2倍強いとの研究結果が出たことで、再び悪材料として意識されている。
Jim Reid氏を含むドイツ銀行(DE:DBKGn) のストラテジストは「最終的にオミクロン株の脅威はそこまで高くなかったとしても、初期研究が示す感染率の高さはそれを相殺するリスクとなるだろう」と警戒する。
感染力が強いということは、「仮に重症化する人の割合は小さいとしても」それだけ多くの人が病院にかかることとなる、と付け加えた。
米国では消費者物価指数の発表が控えている
Ellen Zentner氏を含む、モルガン・スタンレー(NYSE:MS)のエコノミストおよびストラテジストは「FRBのパウエル総裁を含む多くのFRBメンバーは、インフレ率の高止まり、堅固な経済成長、労働市場の過熱などを受けて、金融政策をタカ派なスタンスに転じた」と分析する。
「FRBがスタンスを転換したことで、2022年9月には利上げが起きるかもしれない。これは当初の想定よりも2四半期早いタイミングだ」と付け加えた。
FRB、欧州中央銀行、イングランド銀行は来週金融政策について発言する予定だ。