執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com – ロシアがウクライナへの本格的な侵攻を開始した後、S&P500種指数は下げ幅を縮小し、木曜日は上昇して引けた。
S&P500は1.5%、ダウ平均は0.28%、63ポイント、ナスダックは最近のピークから20%下落し、日中弱気相場圏に落ち込んだ後3.3%それぞれ上昇した。
ロシアがウクライナに侵攻し、世界の指導者が非難をしており、地政学的な緊張が高まっている。米国はこれに対し、ロシアの資金調達能力と重要技術の輸入能力を更に低下させる目的で、新たな制裁を加えた。
Toews Asset Management社のCEO兼ポートフォリオマネジャーであるPhillip Toews氏は、木曜日Investing.comに、「すでに調整局面にあり、金利先高感が強いことを背景に、コモディティ価格は上昇し、市場の見通しは暗い」と述べている。
しかし、その後の株安は押し目買いを誘い、下落していたハイテク株が買われた。
Apple (NASDAQ:AAPL)、Amazon(NASDAQ:AMZN)、Meta Platform(NASDAQ:FB)、Alphabet(NASDAQ:{{6369|GOOGL})、Microsoft(NASDAQ:{252|MSFT}}がいずれも高値となった。
市場の一部では、投資家は慎重に行動し、健全なレベルのキャッシュ・フローを持つハイテク優良銘柄に注目するよう求めており、大手ハイテク株の反発は、このような状況下で起きたものである。
「このような地政学的なショックによって、パニックに陥らないようにするのが重要だ。その代わりに、大きなフリー・キャッシュ・フローを持つディフェンシブなハイテク株を吟味し注目する必要がある」と、Wedbush証券は述べている。
また、下記の四半期決算発表も明るい材料といえる。
Moderna(NASDAQ:MRNA)は、コロナワクチンの売上について通年の見通しを引き上げ、第4四半期の決算が予想された売上と利益を上回ったことを受けて15%上昇した。
Booking Holdings (NASDAQ:BKNG) も予想を上回る四半期決算を発表したものの、将来のコロナによる渡航規制が成長を阻害することを依然として警戒していると述べた。尚、同社の株価は7%以上下落した。
一方、Live Nation Entertainment(NYSE:LYV)は、2022年のチケット販売の順調な見通しと予想を上回る四半期売上を発表し、9%以上の上昇となった。
市場全体が調整局面にある中、一部の投資家は、ヘルスケアや通信サービスなどのセクターの高配当銘柄を、市場暴落の影響をいくらか和らげることができる有望な分野として挙げている。
「下落相場では、最高の利益を得ることではなく、最小の損失に留めることが重要だ」とPhillip Toews氏は述べている。「高配当銘柄でヘルスケアや通信サービスなどの比較的信頼性の高い安定配当を行っている企業は、市場の下落の影響をすぐに受けにくく、損失からの回復が早いので、自然なリバウンドが期待できる。」