執筆:Sam Boughedda
Investing.com – 原油価格が急落する中、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利決定を前に、火曜日の株式市場は急騰した。
水曜午後のFRBによる最新の政策発表では、0.25%の利上げがなされるというのが大方の予想であり、その後パウエル議長の記者会見が行われる。ロシアのウクライナ戦争による混乱を勘案すると、FRBの金利に対する新たな考え方が明らかになるかもしれない。
エネルギー価格の高騰が消費者心理を悪化させているため、FRBはインフレ圧力と戦いながら、景気減速を引き起こさないよう辛抱強く行動するという絶妙なバランスを取らなければならない。
インフレを抑制するためにFRBがどの程度まで金利を引き上げなければならないかについての予測にアナリストは注目するだろう。
ロイター通信は、2月の米国生産者物価は、前年同月比、前月比ともに堅調に推移したと報じている。
中国でのコロナ患者の急増により、製造拠点を含む一部の地域が都市封鎖に追い込まれているため、原油価格は下落に転じ、火曜日にはさらに6%下落した。このため、原油価格は再び100ドルを割り込み、価格の再上昇を抑制する要因になっている。
北大西洋条約機構(NATO)は来週、激化するウクライナ情勢をめぐり、バイデン大統領など加盟国首脳に呼びかけ、会議を開催しようとしている。
水曜日の市場に影響があると思われる3点を以下に紹介する。
1. 航空会社株
米国の航空会社株は、複数の航空会社が需要増と旅行の回復を受けて売上見通しを引き上げたことで、回復の兆しをみせている。Delta Air Lines (NYSE:DAL)、Southwest Airlines (NYSE:LUV)、United Airlines (NASDAQ:UAL)、American Airlines (NASDAQ:AAL)、JetBlue Airways Corp (NASDAQ:JBLU)の株価はいずれも火曜日に上昇した。
2. 原油価格の続落
原油価格は2日連続で下落し、米国産原油と世界の指標ブレント原油は共に8%も下落した後、いくらか値を戻した。いずれもつい1週間前につけた1バレル130ドルを超える14年ぶりの高値と比較すると、下落幅は20%以上であり急落しているといえる。
3. FRBの声明
もちろん、FRBが明日、利上げを行うことは十分に織り込み済みで、利上げ幅はおそらく0.25%程度だろう。これは、ほんの数週間前、ロシアがウクライナを攻撃する前に人々が考えていた上げ幅の半分である。しかし、戦争が勃発し、経済情勢がより不透明になっている今、人々はFRBの見通しについての発表に注目することになる。