[ソウル 7日 ロイター] - 韓国のサムスン電子は7日、第1・四半期の営業利益が前年比約50%増加し、同四半期利益としては2018年以来の高水準になるとの見通しを示した。半導体に対する需要が底堅かった。
第1・四半期の営業利益は14兆1000億ウォン(116億ドル)と予想。リフィニティブがまとめた市場予想は13兆3000億ウォン。
売上高は、前年比18%増加して過去最高の77兆ウォンになる見込み。こちらも市場予想を上回った。同社は4月28日に決算の詳細を発表する。
ケープ投資証券のアナリストは「サムスンの見通しが市場予想を上回ったのは、メモリーチップの出荷と価格が予想より良好だったためだろう」と指摘した。
半導体価格は第1・四半期に下落したものの、アナリストによると、堅調な需要に加え、メーカーが投資に慎重な姿勢を示し、生産拡張が抑制されたことから、予想以上に底堅かった。これがサムスン電子の利益全体の約半分を占める半導体部門を支援したとみられる。
調査会社トレンドフォースによると、データセンターで広く使われているDRAMチップの価格は第1・四半期に8%下落、ハイテク機器のデータストレージ向けNANDフラッシュメモリーチップは5─10%下落した。
インフレの高まりでパソコンやスマートフォンの需要が打撃を受ける可能性があることから、DRAM型の価格は第2・四半期も下落が続くとアナリストはみている。
一方、トレンドフォースによると、NAND型の価格はキオクシアホールディングスと米ウエスタンデジタルが共同運営する工場で2月に発生した原材料汚染の影響で、5─10%上昇する見込みという。同工場の問題もサムスンの業績に恩恵となった可能性が高い。
カウンターポイント・リサーチの試算によると、サムスンの第1・四半期スマートフォン出荷台数は7200万台と、前年同期比で約11%減少。最新の旗艦機種「ギャラクシーS22」の発表が例年より遅れたことが主に影響したとみられる。
カウンターポイントによると、S22シリーズは2月下旬の発売後、最初の1週間の世界販売台数が前機種「S21」を約5割上回った。3月末までに出荷されたS22シリーズは600万台強で、予想並みという。
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