執筆:Liz Moyer
Investing.com -- 強い小売売上高とFRBのパウエル議長によるインフレ抑制への決意表明を受け、米国株式市場は反発した。
4月の小売売上高は前月比0.9%増、前年比8.2%増となり、今週決算を迎える小売業者にとって朗報となった。Walmart Inc (NYSE:WMT)はコスト上昇に見舞われて収益は市場予想を下回る内容となったが、Home Depot Inc (NYSE:HD)の売上高は過去最高レベルとなり、2022年の見通しを引き上げた。水曜日はTarget (NYSE:TGT) や Lowe's (NYSE:LOW)などから小売企業の決算発表が行われる予定である。
パウエル議長は火曜日、FRBにはインフレを引き下げる「決意」があり、インフレ率が低下に向かっているという明確な証拠をみるまでは引き締め策をやめない、と述べた。この発言は引けにかけて株価を上昇させ、3つの主要株式指数はすべて高値で引けた。
投資家にとって、FRBがこれまで示唆してきた0.5%以上の急激な利上げを行わないことを示すものである。大部分の人はFRBが来月のFOMC会合で、政策金利をそのまま適用すると予想しているが、一部はより積極的な0.75%の引き上げを懸念していた。
しかし、アナリストはコスト上昇と継続的な供給問題に対処する必要のある企業を考慮し、今年のS&P500の成長予測を下方修正している。
また、中国におけるコロナウイルス拡大防止措置としてのロックダウンが今後数週間で緩和されるというニュースも投資家にとって好材料となった。この措置は世界的な景気後退の懸念を高めていた。しかし、ロシアのウクライナ戦争に起因する先行きの不確実性は依然として残ったままである。
水曜日の市場に影響を与えると思われる3点を紹介する。
1. Ciscoの決算発表
Investing.comが集計したアナリスト予想によると、クラウド・コンピューティング企業のCisco Systems Inc(NASDAQ:CSCO)は、売上高133億ドル、一株当たり利益(EPS)86セントを発表するとみられている。アナリストは、在宅勤務が続く中、売上高の伸びについて同社がどのようなコメントを発表するのか注目している。
2. Lowe'sの決算発表
Home Depotの好決算を受けて、Low’sは売上高は237億ドル、一株当たり利益(EPS)は3.23ドルを発表すると予想され、アナリストは住宅と建設の動向に関する同社の見解に注目している。
3. Targetの決算発表
Walmartと競合するTargetは、売上高は244億ドル、一株当たり利益(EPS)は3.06ドルを発表すると予想されている。アナリストは、コスト、供給、在庫など、Walmartとの類似した問題に対するターゲットの見解に注目している。