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オンコリス Research Memo(1):開発型バイオベンチャーから製薬会社へと進化することで企業価値向上を目指す

発行済 2022-09-08 15:21
更新済 2022-09-08 15:30
© Reuters.
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■要約

オンコリスバイオファーマ (TYO:4588)は、腫瘍溶解ウイルスによるがん治療薬(テロメライシン)やがん検査薬(テロメスキャン)の開発を目的に2004年に設立されたバイオベンチャーである。
テロメライシンについては2019年4月に中外製薬 (TYO:4519)と独占的ライセンス契約を締結したが、2021年12月に両社協議のうえ解約契約を締結し、単独で上市を目指す方針を決定した。
これにより開発型企業から製造販売まで手掛ける製薬会社への進化を目指していくことになる。


1.テロメライシンの開発動向
テロメライシンの開発状況については、国内における食道がんを対象とした第2相臨床試験(放射線併用療法)に関する中外製薬からのデータ引き継ぎが順調に進行し、2024年に販売承認申請を行う予定に変わりはない。
また、上市後の販売に向けて社内での組織体制構築やコプロモーションを行うパートナー企業の探索活動に着手している。
コプロモーション先に関しては、今後の適応拡大に向けた臨床試験を共同で行える企業を対象に考えている。
食道がんを対象とした国内のテロメライシンの潜在市場規模として、当初対象となる「手術不適な局所進行性食道がん」の患者だけで50~70億円程度が見込め、その後CRT療法(放射線化学療法)との併用など適応拡大していけば、200億円程度まで拡大していくことが可能と同社では試算している。
一方、米国では胃・食道接合部がんのステージ4患者を対象とした医師主導第2相臨床試験(免疫チェックポイント阻害剤併用療法)が実施されている。
腫瘍縮小効果が確認できればメガファーマとライセンス契約を締結し、企業治験に切り替えて開発を進めていきたい考えだ。
同領域で開発に成功すれば、米国でも数百億円規模の市場規模になると想定される。


2.その他パイプラインの動向
新型コロナウイルス感染症治療薬として開発を進めていた「OBP-2011」は、いったん開発の優先順位を下げることを決定した。
動物実験の結果、薬効は認められたものの必要投与量が大きく、製剤化に向けての課題が出てきたことや、共同開発パートナーとの契約には作用機序の解明が必要となること、他社開発品の緊急承認が見送られるなど承認に向けてのハードルも高くなったことが要因だ。
一方、2020年6月に米Transposon Therapeutics, Inc.(以下、トランスポゾン社)と総額3億米ドル以上の独占的ライセンス契約を締結した「OBP-601」については、欧米で神経変性疾患を対象とした前期第2相臨床試験が2本進んでおり、2024年までには結果が判明する見通しとなっている。
そのほか、テロメスキャンは国内でAIによる自動検査プラットフォームを2023年までに完成させ、その後ライセンス活動を展開していく。
次世代テロメライシン「OBP-702」については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金の範囲内で開発を進め、臨床試験届申請を目標としている。


3.業績動向
2022年12月期第2四半期累計の売上高は426百万円(前年同期比233百万円増)、営業損失は658百万円(同25百万円増)となった。
売上高は中外製薬からのテロメライシン開発協力金収入により増加した。
費用面ではテロメライシンの製造開発等により研究開発費が585百万円と前年同期比263百万円増加した。
2022年12月期の業績は売上高で1,000百万円(同357百万円増)、営業損失で1,600百万円(同145百万円増)を見込んでいる。
売上高は中外製薬、台湾Medigen Biotechnology Corp.(以下、メディジェン社)からの開発協力金収入が継続するほか、ライセンス契約一時金収入を見込んでいる。
一方、研究開発費等は同431百万円の増加を見込んでいる。
なお、2022年6月末の現預金は2,858百万円となっており、当面の事業活動資金は確保しているものの、2023年以降は新たな資金調達を行う可能性がある。
同社は提携先からの資金調達を優先的に取り組んでいく方針だ。


■Key Points
・テロメライシンの臨床試験は2024年の販売承認申請に向けて順調に進捗、自社販売体制の構築に着手
・「OBP-601」は将来的にアルツハイマー病治療薬候補に進展する可能性
・2022年12月期は研究開発費の増加により前期並みの営業損失が続く見通し

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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