[ワシントン 18日 ロイター] - バイデン米大統領は18日、来月の中間選挙で与党民主党が上下両院の多数派になれば、来年1月に人工妊娠中絶の権利を明記する法案を成立させると表明した。
連邦最高裁は約4カ月前、中絶を憲法上の権利と認めた「ロー対ウェード判決」を覆す判断を示し、国民の間に論争を巻き起こした。民主党が中間選挙で下院の過半数議席を失い、上院でも敗北する可能性が出ている中、バイデン氏はこの中絶問題を争点に党や支持者の結束を図り、終盤の選挙戦で盛り返そうとしているもようだ。
バイデン氏は「私は米国民の皆さんに約束する。次の議会に送る最初の法案はロー対ウェード判決の成文化になる」と語った。
さらに「皆さんに思い出してほしいのは、あなた方の選択する権利について最終的な発言権を持つのは裁判所でも、議会の過激な共和党員でもなく、あなた方自身ということだ。あなた方が適切に役割を果たし、投票してくれるなら、議会の民主党指導部も自分たちの義務を遂行し、私もそうすると約束する」と訴えた。
最高裁が新たな判断を示した後、既に16の州で中絶を禁止する法律が発効した。こうした事態を踏まえ、バイデン氏は「最高裁と過激な共和党員は過去何十年にもわたってロー対ウェード判決をひっくり返す取り組みを続け、今まさにその答えを出そうとしている」と危機感をあらわにした。