[メルボルン 6日 ロイター] - オーストラリアのエンジニアリング会社クラフが5日に破綻したこと受けて、国内やモンゴル、パプアニューギニアの総額80億ドル以上のガス、電力、鉄道、鉱山プロジェクトに遅れが生じる可能性が出ている。
クラフは、リオ・ティントが運営するモンゴルの銅金鉱山オユ・トルゴイ開発や豪州の大型発電プロジェクトなどに参加。従業員は世界全体で2500人に達する。イタリアの建設大手ウィービルドへの事業売却がとん挫し、南アフリカの親会社マレー・アンド・ロバーツ・ホールディングスが任意管理手続きを申請した。
管財人に指名されたデロイトは、2─3日中にクラフの財務状況を精査し、事業売却と資本再構成を急ぐと表明。「できる限り早期にできるだけ多くのプロジェクトで作業を続けられるよう」暫定的な資金調達を進める方針を示した。
ウィービルドとクラフは、豪クイーンズランド州の50億豪ドル(34億ドル)規模の鉄道事業や、国内最大規模となる水力発電所拡張プロジェクト「スノーウィー2.0」(50億豪ドル規模)に参加。
電力公社スノーウィー・ハイドロは、スノーウィー2.0に参加するクラフの従業員がプロジェクトに残れるよう作業を進めていると表明した。
クラフは、三井物産の子会社などが権益を持つ豪ガス田「ウェイトシア」のステージ2開発(7億6800万豪ドル規模)の建設にも関わっている。三井物産の子会社は「プロジェクトを継続する解決策が見つかると自信を持っている」と表明した。