[シドニー 8日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のブラッド・ジョーンズ総裁補は8日、デジタル豪ドル(eAUD)のパイロットプログラムが予想以上に業界から関心を集めており、いくつかのプロジェクトが来年早々にもテストされる予定だと明らかにした。
ただ、すでに高度に発達した決済システムを有する市場において、リテール中央銀行デジタル通貨(CBDC)の有用性については懐疑的であることも強調した。
ジョーンズ氏は、豪中銀がデジタル金融共同研究センター(DFCRC)と行った試験的なeAUDプログラムに約80の企業から140以上の活用事例の提案があり、当初の予想を大きく上回ったと述べた。
事例案には電子商取引決済からオフライン決済、政府決済、トークン化した資産の取引・清算などあらゆる分野に及んでいるという。関心を示した事業者も大手銀行、金融市場インフラプロバイダー、コンサルタント会社から、小規模なデジタル資産会社やフィンテックまで多岐にわたっている。
一方、現金に代わるリテールCBDCを実際に採用することは革命的で、まだ対処されていないコストと危険性を伴うと警告。豪州のように、すでに決済システムが発達し、現金へのアクセスが容易な国ではCBDCがどのような問題を解決するのかは明らかでないと述べた。