[ワシントン 19日 ロイター] - 米国で8月成立したインフレ抑制法に基づき来年1月1日から電気自動車(EV)購入者向けの最大7500ドルの税額控除制度が改定されるのに伴い、財務省は19日、控除対象のバッテリー調達基準に関する指針の詳細公表時期を来年3月中に延期すると発表した。インフレ抑制法はEV搭載バッテリーの部品や使用される重要鉱物の調達を巡る税額控除については基本条件を定めるにとどめ、財務省に対し、今年末までに詳しい指針を策定することを指示していた。
財務省が公表を先送りしたことで、EV購入者の一部は当面はバッテリー調達で条件を満たさない車でも控除を受けられる可能性がありそうだ。財務省も、指針公表までは重要鉱物やバッテリー部品に関する控除制限は実施されないとしている。同省は、今年末までに規則の「予想される方向性」については情報を公表すると説明した。
インフレ抑制法の基本条件は、バッテリーに北米ないし米国と自由貿易の取り決めを結んでいる国から調達した重要鉱物を40%以上含んでいるか、もしくは北米でリサイクルされる場合に3750ドルの控除対象とする。バッテリー部品の製造か組み立てが50%以上で北米で行われていても3750ドルの控除枠適用になる。どちらのパーセント比率も毎年引き上げられる。
こうした条件を巡り、米政権に対して多くの国が自由貿易の取り決めの定義を広くするよう圧力をかけている。米政権に解釈変更を求めている外国の自動車メーカーや外国も複数ある。
購入者の所得や車両価格などの制限は1月1日に即時導入される。