[ワシントン 31日 ロイター] - バイデン米大統領とマッカーシー下院議長は31日、債務上限引き上げを巡る2月1日の会談でデフォルト(債務不履行)回避に向けた具体的な提案を行わない姿勢を示した。
数カ月にわたり駆け引きが続きそうで、合意に至らなければ6月にも米国債のデフォルトにつながる恐れがある。
下院共和党が債務上限引き上げは大幅な歳出削減と併せて行うべきと主張しているのに対し、ホワイトハウスは債務上限引き上げ後にのみ将来の歳出削減を議論するとの立場だ。
ロイターが確認したホワイトハウスのメモによると、バイデン氏は会談でマッカーシ氏に対し、共和党の予算案を示すとともに米国の債務履行を確約するよう求める見通し。
一方、マッカーシー氏は債務上限引き上げを議会で可決するにはバイデン氏の譲歩が必要だと述べた。
2011年にオバマ政権と下院共和党が債務上限を巡り対峙した際には、米国債が史上初めて最上位から格下げされた。
当時の状況に詳しい関係者は、今回の方が政治情勢などが厳しく、政府資金が枯渇寸前もしくは枯渇するまで解決策を見いだすのは難しいと警告する。
元下院共和党指導部側近で現在は米商工会議所幹部のニール・ブラッドリー氏は「誤算の可能性は今回の方が高い」との見方を示した。