[ヒューストン 8日 ロイター] - 大手産銅企業は現在、再生可能エネルギーへの移行に伴って銅需要が増加し、米国を筆頭として労働者の確保に苦慮している。
肉体的にきつい仕事や遠隔地での仕事が敬遠される中で、鉱業に携わる人材を呼び込むことが業界の重要課題に浮上。この業界では今後10年間に大量の退職が予定されている。
求められているのは、再生可能エネルギーに必要なリチウム、ニッケル、銅などの鉱山における建設や運営のスキルを携えた労働者だ。
米鉱山大手フリーポート・マクモランの銅生産は昨年減少した。銅需要が高まっているにもかかわらず、今年も人材不足のために1%減少する見通しとなっている。
リチャード・アドカーソン最高経営責任者(CEO)は米ヒューストンで開かれたエネルギー業界の国際会議「CERAウィーク」の場でロイターに対し、米国で1000人以上の欠員があり、既に高い給与をさらに引き上げるなどして人材確保に努めていると説明。それでも追い付かず、少なくとも1つの鉱山では下請け業者を使い始めたと明かした。
アドカーソン氏は「(人手不足は)わが社の経営と拡張計画にある程度影響を及ぼしている。わが社の仕事が人々にとってできるだけ魅力的になるよう努めている」と述べた上で、「克服できない問題というわけではない」と付け加えた。