[東京 13日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末のNY市場終盤(134.98/135.01円)から下落し134.36/38円付近で取引されている。相次ぐ米銀行の破綻を受けてリスク回避ムードが広がり、一時133円半ばと1カ月ぶりの安値まで下落した。その後は米金利の動向を睨みながら134円台を中心に上下に振れる荒い値動きとなった。
ドルは早朝に一時133.58円付近と2月中旬以来の安値水準まで下落。米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を受けたリスク回避の流れから「商いが薄い時間帯だったこともあり、オーバーシュート気味に下落した」(外銀)という。
その後、米財務省と連邦準備理事会(FRB)、連邦預金保険公社(FDIC)が預金の保護を含む破綻処理策と金融システムの安定維持を表明したことを受けて、じりじりと135円付近まで水準を戻した。
仲値にかけては国内輸出企業によるドル売りや長期勢のドルロングのポジションを落とす動きが強まり、再び軟調に推移。時間外取引の米金利の低下もドルの売り圧力を強め、134円を割り込む水準まで下落する場面もあった。
ステート・ストリート銀行の東京支店長、若林徳広氏は「米当局による迅速な対応は瞬間的にマーケットに安心感を与えたものの、不確実性の高まりから投資家心理は悪化したままだ」と指摘。50日移動平均線が一目均衡表の雲の上で止まっていることから、一旦133円半ばがドルの下値サポートとして意識されやすい一方で、135円付近では売り圧力がかかりやすいとみる。
市場では3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの観測も浮上している。CMEフェドウォッチによると、米金利先物市場は現時点で、来週のFOMCでFRBが現行の政策を据え置く可能性を4.8%、25ベーシスポイント(bp)の利上げにとどまる可能性を95.2%織り込んでいる。
三菱UFJ信託銀行の資金為替部マーケット営業課課長、沖本恭章氏は「米銀破綻関連の材料を消化するのに時間がかかるとみている。仮に14日の米消費者物価指数(CPI)で強い伸びが確認されても、3月のFOMC会合での50bp利上げ観測は再燃しづらく、ドルの上値は重くなりやすい」との見方を示した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 134.36/38 1.0719/23 144.03/07
午前9時現在 134.96/98 1.0679/83 144.14/18
NY午後5時 134.98/01 1.0643/45 143.70/74