[ニューヨーク 14日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して終了した。米消費者物価指数(CPI)の伸びが減速したほか、米銀破綻の影響波及への懸念が緩和した。
主要3指数はいずれも大きく値上がり。S&P総合500種とダウ工業株30種は1%超高、ナスダック総合は2%超高となった。
シリコンバレー銀行とシグネチャー・バンクの破綻を巡るリスク回避の動きから売り込まれていた金融株が反発。前日に2020年6月以来の大幅な下げを記録したS&P銀行株指数は2.6%上昇し、下落分の一部を回復。KBW地方銀行株指数は2.1%高。
バイデン米大統領や世界の政策当局者が危機を食い止めると表明したことを受けて、懸念が和らいだ。
キーター・グループのマネジングパートナー、マシュー・キーター氏は「市場はここ数日のニュースを消化する機会を得ている」と指摘。「(投資家は)さまざまな政府機関の協調努力を目にして、今になってようやく、事態が少し収まったかのように感じている」と述べた。
米労働省が14日発表した2月のCPIは前年比伸び率が6.0%と、前月の6.4%から減速し市場予想と一致。コア指数の前年比伸び率も鈍化して予想と一致した。
景気減速の兆しと地銀を巡る懸念から、米連邦準備理事会(FRB)が来週の会合で実施する利上げが、比較的小幅な25ベーシスポイント(bp)にとどまるとの見方が高まった。
キーター氏は「市場がきょう安定した一因には、先週のパウエル議長の発言を受けて高まっていたFRBのタカ派姿勢を巡る観測が後退したことがある」と語った。
S&P主要11セクターは全て上昇。通信サービスの上昇率が最大だった。
米中堅銀行のファースト・リパブリック銀行とウェスタン・アライアンス・バンコープはそれぞれ27.0%高、14.4%高と、前日の大幅安から反発した。
メタ・プラットフォームズは新たに1万人を削減すると発表し、株価は7.3%上昇した。
配車大手のウーバー・テクノロジーズとリフトは5.0%と0.6%それぞれ上昇。両社がドライバーを従業員ではなく独立した契約者として扱うことを可能にする判断をカリフォルニア州の裁判所が下したことが背景。
ユナイテッド航空は5.4%下落。今四半期が赤字になると予想したことが嫌気された。
映画館運営会社のAMCエンターテインメント・ホールディングスは複数回にわたり売買が停止される中、15.0%の大幅安で引けた。株主が優先株を普通株に転換することに賛成した。
ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.60対1の比率で上回った。ナスダックでも1.83対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は138億4000万株。直近20営業日の平均は116億4000万株。
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終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 32155.40 +336.26 +1.06 32055.29 32306.59 31805.40
前営業日終値 31819.14
ナスダック総合 11428.15 +239.31 +2.14 11357.74 11467.02 11284.93
前営業日終値 11188.84
S&P総合500種 3919.29 +63.53 +1.65 3894.01 3937.29 3873.63
前営業日終値 3855.76
ダウ輸送株20種 13921.04 -53.66 -0.38
ダウ公共株15種 912.54 +11.46 +1.27
フィラデルフィア半導体 3010.15 +88.44 +3.03
VIX指数 23.73 -2.79 -10.52
S&P一般消費財 1093.24 +18.34 +1.71
S&P素材 491.94 +6.05 +1.24
S&P工業 839.14 +8.76 +1.05
S&P主要消費財 750.65 +5.97 +0.80
S&P金融 535.56 +9.93 +1.89
S&P不動産 231.76 +1.93 +0.84
S&Pエネルギー 621.92 +5.45 +0.88
S&Pヘルスケア 1470.01 +12.87 +0.88
S&P通信サービス 175.84 +4.71 +2.75
S&P情報技術 2434.58 +54.58 +2.29
S&P公益事業 334.46 +4.24 +1.29
NYSE出来高 13.90億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 27285 + 385 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 27210 + 310 大阪比