[東京 22日 ロイター] - 今週の東京株式市場は、方向感に乏しい展開となりそうだ。日米の重要イベントは通過したものの、ギリシャ問題が引き続き上値の重しとして作用する見通し。一方、海外短期筋による売りに一巡感がみられるほか、下値では国内金融機関や個人投資家による押し目買いが強く、上下に動きにくい相場が続くとみられている。
日経平均の予想レンジは1万9800円─2万0500円。
ギリシャ支援をめぐる協議は、18日のユーロ圏財務相会合でも合意に至らず、ギリシャの債務不履行(デフォルト)回避に向けて22日に首脳らが緊急会議を開催する見通しとなった。25─26日にもEU首脳会議が予定されており、「国内に手掛かりが乏しい中、欧州でのイベント睨みになりそう」(国内証券)という。
もっとも、ギリシャ問題の動向を受けたリスクオフは一時的にとどまりそうだ。「ギリシャがユーロ圏を離脱することになれば一時的な調整が想定されるが、デフォルトで済むのならあく抜けにつながる可能性もある」(岡三証券・日本株式戦略グループ長の石黒英之氏)という。投資家が最も嫌う不透明感が払しょくされれば、海外投資家を中心に新たなポジションを構築しやすい。
需給の改善も支援材料だ。日本取引所によると、6月12日時点の裁定買い残は2兆9262億円と4カ月ぶりの水準まで低下。海外投資家の先物売買をみると、5月第3週、第4週の買い越し分(9143億円)を、6月第1週、第2週ですべて吐き出しており、短期筋の売りは一巡した公算が大きい。
一方で、地方の金融機関は日本株の押し目を待っているほか、個人投資家の買い意欲も衰えておらず、下値は堅いとの見方は多い。18日には日経平均が終値で2万円の大台を下回ったが、翌19日にはすぐに回復したことから「2万円割れは押し目買いのチャンスとの認識が一層広がった」(準大手証券)という。直近では中小型株への物色の広がりもみられ、底堅い地合いは維持しそうだ。
(株式マーケットチーム)