Renju Jose Florence Tan
[シドニー/シンガポール 29日 ロイター] - オーストラリア労働者組合とオーストラリア海事組合の連合組織「オフショア・アライアンス」は、同国にある米シェブロンの液化天然ガス(LNG)施設の労働者が特定業務を停止するなど段階的なストライキを9月7日から開始すると明らかにした。
ストが行われるのはシェブロンの「ゴーゴン」と「ウィートストーン」の2カ所の施設で、世界全体のLNG生産量の5%以上を占める。
このニュースを受けて欧州の天然ガス価格の指標であるオランダTTF先物価格は、25日終値比で10.4%跳ね上がった。
現在これらの施設の労働者とシェブロンは賃金や職場環境の改善を求める協議を続けている。
オフショア・アライアンスは29日のフェイスブックへの投稿で「シェブロンがわれわれの要求を受け入れるまで、組合員による段階的なストは毎週エスカレートしていく」と警告した。
ロイターが確認した計画文書によると、ゴーゴンとウィートストーンの下流施設で働く労働者は、9月7日に2ブロックで7時間、8日に10時間、9日に11時間の作業停止を計画している。
ウィートストーンの生産プラットフォームでは9月7日から3時間の停止が予定されており、14日までの作業中断の詳細が記されている。
シェブロンの広報担当者は労組側の最新の動きにはコメントしなかったが、以前に発表した「施設で混乱が起きた際に安全かつ信頼できる形で操業を維持するための措置を引き続き講じていく」との声明に改めて言及した。
エネルギーアナリストのソウル・カボニック氏は、計画されているストでシェブロンのプロジェクトがフル生産を維持できなくなる可能性があると語った。
「10時間の操業停止は労働組合が(国内企業の)ウッドサイドに対して計画していたものよりも厳しい初期行動だ」としつつ、世界市場の動向を左右するほど生産への影響はないとの見通しを示した。
オーストラリアに進出している国際的なエネルギー企業は、現地で十分な意思決定ができないため、国内企業よりも労働争議がエスカレートするのが早い傾向にあるという。