[日本インタビュ新聞社] - ■インカムゲインと波乱相場に備えるバリュー株の魅力
今週の当特集は、残り1週間余の期間限定で、インカムゲイン妙味のあるバリュー株と、さらに日米中央銀行イベントで波乱がある場合に備えては、8月の波乱相場下で業績の上方修正でストップ高したバリュー株を取り上げることとした。スクリーニングから浮上した番外シナリオ銘柄は、どれも小型株、軽量株とメーンシナリオの主力銘柄の圏外に位置するが、ビッグ・イベントが、グッド・ニュース、バッド・ニュースのどちらにブレてもそれなりの株価追随性と機動性の発揮を期待できそうだ。
■年間配当利回りは4%を優に超え不動産株などPER6倍台銘柄も目白押し
高配当利回りランキングの上位にランクされ、9月中間配当を実施しPER評価でも割安なベスト10を高配当利回り順にあげると次の通りとなる。宮地エンジニアリンググループ<3431>(東証プライム)、レーサム<8890>(東証スタンダード)、イーグランド<3294>(東証スタンダード)、アールビバン<7523>(東証スタンダード)、ユナイテッド<2497>(東証グロース)、あおぞら銀行<8304>(東証プライム)、MIRARTHホールディングス<8897>(東証プライム)、奥村組<1833>(東証プライム)、ケイアイスター不動産<3465>(東証プライム)、KHC<1451>(東証スタンダード)となる。トップの宮地エンジの配当利回りは、5.24%と東証プライム市場の全銘柄平均の2.16%を大きく上回り、10位のKHCでも4.80%とインカムゲイン妙味を示唆している。
また宮地エンジは、9月30日を基準日に株式分割(分割比率1対2)を予定し、分割権利落ち後の今3月期通期配当を実質的に増配予定である。このため株価は、前週9月12日に上場来高値6230円まで買い進まれているが、PERは11.9倍とこれもプライム市場全銘柄平均の16.3倍を大きく下回り権利落ち後の株価推移に期待を集める。このほか9銘柄もほとんどがこの9月に年初来高値を更新したが、PERは6倍台~15倍台にとどまる。なかでも多くを占めるのが不動産株で、足元で大手不動産がオフィス系需要の回復で人気化しているのとは対照的に個人住宅系となっており、今後の業績推移もカギを握ることになりそうだ。
■上場市場もバラエティに富み全方位で低PERランキングの第7位銘柄も
一方、今年8月の高値波乱時に業績上方修正などからストップ高の逆行高を演じたバリュー株は、時系列的にあげると品川リフラクトリーズ<5351>(東証プライム)、GMO TECH<6026>(東証グロース)、ユシロ化学<5013>(東証スタンダード)、富山第一銀行<7184>(東証プライム)、日本山村硝子<5210>(東証スタンダード)、尾家産業<7481>(東証スタンダード)、イフジ産業<2924>(東証スタンダード)、日本板硝子<5202>(東証プライム)、久世<2708>(東証スタンダード)、デルソーレ<2876>(東証スタンダード)と続く。上場市場も東証プライム市場、スタンダード市場、グロース市場のバラエティ豊かで第1四半期決算発表時の今3月期業績上方修正銘柄であり、10月以降の第2四半期累計決算発表時の「ワンスモア」期待が潜在する。
このなかで品川リフラクトリーズは上場来高値水準にあるが、株式分割権利付きで業績再上方修正・再増配によりPERは5.1倍、配当利回りは4.13%と割安である。このほかGMO TECH、ユシロ化学、富山第一銀行、イフジ産業が増配を同時発表して増配権利取り余地もあり、日本山村硝子は、業績上方修正により大幅黒字転換して年間30円の復配も予定しPERは2.0倍と全市場ベースの低PERランキングの第7位にランクされている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)