[ロンドン 15日 ロイター] - 人材紹介会社モーガン・マッキンリーが15日発表したデータによると、ロンドンの金融部門の2023年の求人数は前年比38%落ち込んだ。市場の混乱と高インフレにより金融機関がコスト節減に動いたことが原因。
求職者数も前年比16%減少した。
特に昨年第4・四半期の求人数は前年同期比42%減少し、2008年の世界金融危機以来最大の落ち込みとなった。
銀行の利益は堅調だったが、高インフレ、合併・買収(M&A)の低迷、地政学的混乱の深刻化により利幅は圧迫され、先行きの見通しは暗くなった。
大手数社は大規模な人員削減を実施。英バークレイズが数千人を削減したほか、スイスのUBSは経営不振のクレディ・スイスを統合した後、ロンドンを含めて大なたを振るっている。
モーガン・マッキンリー英国部門のマネジングディレクター、ハカン・エンバー氏は、前年は労働市場のひっ迫により賃金が大幅上昇し過剰雇用となったが、23年末に向けて市場冷え込みの兆しが強まったと説明した。