[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米国株式市場は大幅安で取引を終えた。米主要銀行が発表した期待外れの決算を受け、主要3株価指数は1%超下落した。
週間でも3指数とも下落。S&P総合500種が週間で1月以降で最大の下げを記録したほか、ダウ工業株30種平均の週間の下げは2023年3月以来の大きさだった。
ホライゾン・インベストメンツの調査責任者、マイク・ディクソン氏は「マクロ経済の状況を見ると、インフレが悪化しており、企業には今期の決算発表でさらなるプレッシャーがかかっている」と指摘。「誰もが、業績がどの程度好調であるべきかに強い関心を寄せ、少し神経質になっている」と述べた。
JPモルガン・チェースが12日に発表した第1・四半期決算(3月31日まで)は利益が市場予想を上回った。ただ、市場事業を除く通期の純金利収入(NII)見通しがアナリスト予想を下回ったため、株価は6.5%安となった。
ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)も小幅安。第1・四半期決算は、借り手の需要減などを背景に利益が7%減少した。
シティグループは1.7%安。第1・四半期決算は27%の減益となった。ジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)が進める抜本的な組織再編に絡み4億8300万ドルの費用を計上した。
シリアのイラン大使館周辺に今月初め、イスラエル軍戦闘機によるものとみられる攻撃があり、イランが報復すると表明するなど地政学的な緊張の高まりも株売りにつながっているという。
S&P主要11業種全てが下落。素材の下げが最も大きかった。
個別銘柄では、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とインテルがそれぞれ4.2%、5.2%下げた。中国当局が今年、国内の主要通信事業者に対し、各社ネットワークの中核となっている外国製プロセッサーを2027年までに段階的に排除するよう指示していたとの報道を受けた。
米鉄鋼大手USスチールも2.1%安。同社の株主が12日、日本製鉄による149億ドルの買収案を承認した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.19対1の比率で上回った。ナスダックでも3.16対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は116億7000万株。直近20営業日の平均も114億1000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 37983.24 -475.84 -1.24 38319.14 38319.14 37877.30
前営業日終値 38459.08
ナスダック総合 16175.09 -267.10 -1.62 16293.03 16341.46 16125.33
前営業日終値 16442.20
S&P総合500種 5123.41 -75.65 -1.46 5171.51 5175.03 5107.94
前営業日終値 5199.06
ダウ輸送株20種 15498.11 -250.79 -1.59
ダウ公共株15種 854.91 -6.47 -0.75
フィラデルフィア半導体 4745.05 -161.32 -3.29
VIX指数 17.31 +2.40 +16.10
S&P一般消費財 1447.58 -23.67 -1.61
S&P素材 566.21 -10.19 -1.77
S&P工業 1040.48 -11.23 -1.07
S&P主要消費財 782.99 -7.17 -0.91
S&P金融 666.45 -9.73 -1.44
S&P不動産 233.47 -2.46 -1.04
S&Pエネルギー 734.96 -11.51 -1.54
S&Pヘルスケア 1618.87 -24.92 -1.52
S&P通信サービス 289.83 -4.38 -1.49
S&P情報技術 3774.45 -62.94 -1.64
S&P公益事業 326.08 -2.42 -0.74
NYSE出来高 10.28億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 38900 - 650 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 38865 - 685 大阪比