Stephen Nellis Max A. Cherney Yuvraj Malik
[2日 ロイター] - 米アップルが2日発表した第2・四半期(1─3月)決算は、売上高が減少したものの、市場予想より小幅な減収にとどまった。ティム・クック最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、人工知能(AI)機能への投資を背景に第3・四半期(4─6月)は再び増収に転じると述べた。
現金配当を4%引き上げたほか、1100億ドルの自社株買いも新たに決めた。今回の自社株買いは過去最大規模となる。アップルの株価は引け後の時間外取引で6%上昇した。
競争激化と規制上の課題に直面しながらも、アップルがスマートフォン市場で再び足場を固めつつあることを示唆する決算内容だった。
第2・四半期の売上高は4%減の908億ドル。LSEGがまとめた市場予想は900億1000万ドルだった。
第3・四半期の全体の売上高について、クック氏は「1桁台前半の伸び」を見込んでいると述べた。市場予想は1.33%増の828億9000万ドルとなっている。
クック氏はAI分野の研究開発に過去5年間で1000億ドル以上を費やしたと説明し、「われわれは生成AI分野での商機に非常に強気な見方を維持し多額の投資を行っている」とした。今年のイベントで「非常にエキサイティングなことを顧客と共有できるのを楽しみにしている」と語った。
ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)はアナリストとの電話会見で、第3・四半期のサービス事業とiPad事業の売上高が2桁の伸びになる見込みだと語った。
第3・四半期の粗利益率は45.5─46.5%の見通し。
第2・四半期のiPhone売上高は10.5%減の459億6000万ドル。市場予想は460億ドルだった。前年の第2・四半期はコロナ禍のサプライチェーン(供給網)混乱からの回復でiPhone売上高が50億ドル急増するという恩恵を受けており、この一時的な要因を除けばiPhone売上高は小幅減にとどまったという。
クック氏は、iPhone売上高は引き続き「中国を含むいくつかの市場で伸びた」と語った。
第2・四半期のグレーターチャイナ(大中華圏)の売上高は8.1%減の163億7000万ドルで、ビジブル・アルファがまとめたアナリスト予想の155億9000万ドルを上回った。
第2・四半期の1株利益は1.53ドル。LSEGによると市場予想は1.50ドル。
アップルミュージックやアップルTVを含むサービス事業の売上高は238億7000万ドルに増加。アナリスト予想の232億7000万ドルを上回った。
パソコン「Mac」の売上高も75億ドルに増加した。市場予想は68億6000万ドルと減収見込みだった。新型チップ「M3」を搭載した新型のラップトップパソコン「MacBook Air(マックブックエア)」が好調だったという。
iPad部門の売上高は55億6000万ドルに減少。アナリスト予想は59億1000万ドルだった。
ワイヤレスイヤホン「エアポッズ」と「アップルウオッチ」を含むウエアラブル部門の売上高は79億1000万ドルに減少。市場予想は80億8000万ドルだった。