Ron Bousso
[ロンドン 2日 ロイター] - 米議決権行使助言会社グラスルイスは2日、英石油大手シェルの株主に対し、投資家27人のグループによる気候変動対策強化の決議案に株主総会で反対票を投じるよう推奨した。
議案は「物言う株主」の環境団体「フォロー・ディス」が主導し、シェルの株式の約5%を保有する株主らの支持を得ており、5月23日の年次株主総会で決議される。
提案ではシェルに対し、中期の炭素排出量削減目標を、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に合わせるよう求めている。消費者が燃やした燃料からの排出(スコープ3)も含まれる。
グラスルイスは、シェルの削減目標と取り組みの公開に言及し「現時点でこの議案を採択することがシェルや株主の利益になるとは思えない」と説明。「(シェルが)同業他社に大きく後れを取っていると判断するには証拠が不十分だ」と指摘した。
シェルの取締役会も、投資家に反対票を投じるよう求めている。
同社は3月、旺盛なガス需要と新エネルギーへの移行を巡る不透明感を理由に、2030年までの炭素排出削減目標を引き下げ、35年までの目標を撤回した。