[日本インタビュ新聞社] - ■「暑さ寒さも彼岸まで」は幻想?
「暑さ寒さも彼岸まで」とは、気象上の諺である。さしものの猛暑や残暑も、秋の彼岸頃になれば流石に一巡して過ごしやすくなると教えてくれている。株式相場の方でも、「節分天井彼岸底」のアノマリーが広く流布しているくらいだから、お彼岸が重要な節目になって欲しいとの願望は根強くある。「節分天井彼岸底」は、春のお彼岸のことだが、足元の秋のお彼岸も、9月22日の秋分の日を境に、8月初旬、9月初旬と続いた暴落相場への忌避感を強め、いい加減に正常モードに復帰してくれるだろうと期待したいのはやまやまである。
■残暑厳しければ早めに秋相場モード?!
しかし前週末6日の東京市場、ニューヨーク(NY)市場をみる限り、どうもこの期待は時期尚早のようである。とくにNY市場は、朝方発表の8月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数が市場予想を下回って、米国経済のソフトランディング(軟着率)期待が後退してダウ工業株30種平均(NYダウ)は反落、為替相場も1ドル=142円台の円高・ドル安となり、キー・ストックの画像処理半導体大手のネヌビディアの株価も反落した。このあと9月17日から20日まで相次ぎ開催される日本銀行の金融政策会合とFRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公開市場委員会)の動向を含めてなお紆余曲折が予想され、残暑相場が長引く懸念が続きそうである。「暑さ寒さも彼岸過ぎまで」は期待倒れとなるかもしれない。
こうなると、必要なのは投資家サイドの切り換えと割り切り、逆転の発想である。相場の先行きが指数寄与度の高い主力株を中心に不確実、波乱含みとすれば、マーケットそのものからは離れ、投資家サイドからみて確実で予見可能性のあるベータ値の低い銘柄にだけ絞る込む個別銘柄物色への方向転換である。エヌビディアの株価急落以来、日米両市場ではハイテク株よりディフェンシブ株、バリュー株、主力株よりディフェンシブ株などへのシフトが進んでいるようにみえるが、この延長線での「オレ流」の投資スタンスである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)