4月、アメリカの低所得層によるホテル予約が顕著に減少し、ホスピタリティ業界に逆風が吹く可能性を示唆した。商業不動産分析会社のCoStarは、これらの旅行者は貯蓄の減少、クレジットカードの延滞の増加、インフレの影響に悩まされており、これらが総体的に旅行支出の減少につながっていると報告した。
米国の富裕層の旅行習慣に大きな変化は見られないものの、中級ホテルやエコノミーホテルへの宿泊需要は下降している。その結果、CoStarは、国内総生産（GDP）の鈍化と低予算志向の消費者からの需要の落ち込みを考慮し、今年の業界予測を修正した。
具体的には、4月の米国のホテル客室需要は0.5％減少し、ミッドスケールホテルは約2.7％、エコノミーホテルは約3.9％と、それぞれ落ち込みが激しかった。この落ち込みは業界の収益指標にも影響し、利用可能客室1室あたりの収益（RevPAR）はミッドスケールホテルで約1.7％、エコノミーホテルで約3％減少した。
CoStarグループの一部門であるSTRのアマンダ・ハイト社長は、低・中所得世帯への負担を強調し、「生活費の増加は、低・中所得世帯と彼らの旅行能力に影響を及ぼしており、その結果、低価格帯のホテル需要が減少している」と述べた。
ニューヨーク連銀は、2024年第1四半期に米国の債務残高が1840億ドル（1.1％）増加し、総額17兆6900億ドルとなり、2019年末より3兆5000億ドル増加したと報告している。この負債の増加は、低所得者層の旅行支出減少の一因となっている可能性のある経済的圧力を浮き彫りにしている。
こうした傾向を受け、CoStarはホテル業界の2024年予測を調整した。同社は、今年の平均客室単価は2.1％上昇すると予想しており、これは以前予想されていた3.1％上昇から修正されたものである。これは2023年の4.3%増に続くものである。さらに、RevPARは、2023年の5％増に続き、2024年も2％増となり、前回予想の4.1％増から減少すると予測している。
客室稼働率も前年比でわずかに低下し、2023年の63％から62.8％になると予測される。これは、若干の増加を見込んでいた以前の予測とは対照的である。ホテル供給の伸びは、2023年の0.3％増に対し、今年は0.8％増と予想されている。
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