以下は、フィスコソーシャルレポーターの暗号通貨研究家の平野淳也氏(ブログ「JunyaHirano.com」、Twitter: @junbhirano)が執筆したコメントです。
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----現在、「暗号通貨」を括られるものは、非常に多くの数が存在します。
仮想通貨の時価総額などの数値を提供するサイト「CoinMarketCap」上に観測できるものでも、2000以上が確認できます。
暗号通貨という呼称でも様々なものがあり、そのカテゴリは多様です。
本コラムでは、これらはどのような種類に分類されるかを5カテゴリに分けて概観します。
1、ネットワークトークン例:Bitcoin 、Ethereum、EOS、NEOなどネットワークトークンは、各ブロックチェーンに紐づくネイティブトークンです。
BitcoinのブロックチェーンではBTCが、EthereumではETHがネイティブトークンです。
これらのトークンはステーキングに利用できたり、ガバナンストークンに利用できたりと、ブロックチェーンの設計によって用途が異なってきます。
しかし、用途はそれぞれ違ってもブロックチェーンの堅牢性を保つためにこのトークンが用いられるという点では、いずれの場合も変わりありません。
また、BitcoinやLitecoinなどの通貨型と、EthereumやDfinityなどのスマートコントラクトプラットフォームとに大別されます。
2、ユティリティートークン例:0x、Augur、Binance coinなどユティリティートークンは、Ethereumなどのブロックチェーン上に生成されているトークンです。
これらの多くは、Ethereum上のアプリケーション、またはプロトコルに紐づくトークンです。
例えば0xは、分散型取引所のプロトコルです。
また、ここではユティリティートークンと呼称していますが、アプリケーションに紐づくトークンという意味で、ガバナンス機能があるトークン(0xなど)、プロトコルのキャッシュフローに紐づくトークン(0x、MakerDAOなど)を総称してここに含めます。
これらのトークンには標準規格があり、EthereumではERC20という標準規格が用いられ、NEOではNEP-5という標準規格が用いられます。
3、ノンファンジブルトークン(代替可能なトークン)例:CryptoKitties 、My crypto heroes などブロックチェーンを用いたゲームは、ゲームアイテムやゲームキャラクターをトークン化しています。
これらのカテゴリのトークンをノンファンジブルトークン(Non-Fangible Token)と総称します。
Cryptokittiesをはじめ、その他多くのEthereum関連のゲームも、ERC721という規格のトークンを使用しています。
この規格に準拠した形では、NFT(Non-Fungible Token)という新しいタイプのトークンを扱えるというところに特色があります。
Fungibility(ファンジビリティ)とは「代替可能性」を指します。
アリスの持っている1000円とボブが持っている1000円はどちらの1000円も常に同じ1000円であり、この状態をFungibleといいます。
これはBitcoinも同様で、アリスの持っている1BTCとボブの持っている1BTCは同じ1BTCでのはずです。
これに対してNon-Fungible Tokenとは、Fungibleでないこと、つまり代替可能性がないことを前提にしています。
そのトークンそれぞれに色をつけられるという仕様です。
具体的には、ゲームを有利に進められる固有のパラメータや、ゲームの文脈以外でも利用できるかもしれないメタデータを各トークンに処理できます。
だからこそ、Aという猫と、Bという猫の価値は違うもので、あるレアな猫は1000万円で販売されるなんてことが成立します。
4、セキュリティトークン株式会社の株式をトークン化したものをセキュリティトークンと総称します。
このトークンを保有する人は、当該株式会社の株式を保有することと同等の権利を得るものと多くの場合されています。
トークン化することによるメリットは、流動性の向上への期待やコンプライアンスコストの削減などが挙げられます。
株式会社のトークン化だけでなく、債権、ストックオプション、REIT(不動産投資信託)などのトークン化も標榜されています。
5、リアルアセットトークン例:Tether、TrueUSDなど上述のセキュリティトークンにも似ており、ほとんど同じカテゴリに含まれると言っても良いでしょう。
現実社会に流通するアセット(資産)をトークン化するものです。
米ドルなどの法定通貨をトークン化するステーブルコイン(Tether、TrueUSDなど)が最もポピュラーです。
ゴールドをトークン化するDigixDAOなどの取り組みもあります。
これらは多くの場合、株式会社が米ドルやその他のアセットを信託し、それをトークン化するというプロセスを取ります。
以上はトークンの分類として簡単な解説です。
より詳しい技術解説や業界の動向、ビジネス分析などもブログで定期的に情報発信しています。
※2019年1月20日に執筆----執筆者名:平野淳也ブログ名:JunyaHirano.comTwitter: @junbhirano提供:合同会社d10n Lab