[16日 ロイター] -
<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し上昇した。1月の卸売物価指数が予想を上回り、新規失業保険申請件数が予想外に減少したことで、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長期化するとの見方が強まった。
ドル指数は一時6週間ぶりの高値となる104.24を付けた。終盤は0.2%高の103.93となった。
米労働省が16日発表した1月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.7%上昇した。上昇幅は昨年6月以来最大となった。
BNYメロンマーケッツのFX・マクロストラテジスト、ジョン・ベリス氏は「強いPPIと米クリーブランド地区連銀のメスター総裁のタカ派発言で利上げ期待がさらに高まり、これが今日のドル上昇要因となった」と述べた。
メスター総裁は「非常に緩和的なスタンスから制約的なスタンスに政策を移行させるためにかなりの道のりを進んだが、まだ、やるべきことがあると確信している」と述べた。
<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが引き続き上昇した。朝方発表された卸売物価指数と新規失業保険申請件数を受け、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ対応に長期にわたり利上げを継続するとの見方が強まった。
10年債利回りは5.8ベーシスポイント(bp)上昇の3.864%と、昨年12月終盤以来の高水準。30年債利回りは6.2bp上昇の3.914%。
2年債利回りの上昇は2.6bpにとどまったものの、4.652%と、長期債利回りを引き続き上回っている。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス78.4bp。14日に付けたマイナス91.3bpからは縮小しているが、景気後退のサインとされる長短金利の逆転(逆イールド)は解消していない。
労働省発表の11日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は1000件減の19万4000件と、予想外に減少。また、1月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.7%上昇と、上昇幅は昨年6月以来最大となった。
<株式> 米国株式市場は反落した。予想以上に強い米卸売物価指数(PPI)と新規失業保険申請件数の減少を受けて、連邦準備理事会(FRB)の利上げが続くとの観測が高まり、売りが優勢となった。
1月のPPIは前月比0.7%上昇し、昨年6月以来の大幅な上昇となった。
11日までの1週間の新規失業保険申請件数は予想外に減少し、米労働市場の逼迫を示した。
今週に入って発表された一連の経済指標では、インフレが高止まりし、経済が比較的底堅さを維持していることが示された。
インガルス・アンド・スナイダーのシニア・ポートフォリオ・ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「こうした統計を受けてFRBは利上げを継続するが、誰もそれを望んでいない。次回会合での50ベーシスポイント(bp)の利上げの可能性がささやかれている」と述べた。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米利上げ長期化観測の強まりを受けた売りが先行したものの、あと買い戻しが入り、小反発した。
米労働省が朝方発表した1月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.7%上昇、前年同月比6.0%上昇と、いずれも市場予想を上回った。14日発表の米消費者物価指数(CPI)と同様に、インフレは緩やかに低下しているものの、依然として高い水準にとどまっていることを示す内容。また、週間新規失業保険申請件数も市場予想に反して減少し、労働市場の底堅さが改めて確認された。
最近の堅調な各種統計を踏まえ、市場では3、5月に続き、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)でも利上げが実施されるとの思惑が台頭。さらに、クリーブランド連銀のメスター総裁はこの日の講演で、経済動向次第では利上げ幅を0.25%から再び拡大させる可能性があると明言した。
こうした中、午前は米長期金利やドル指数が上昇し、金相場を下押し。しかし、この日発表された住宅関連指標や地区製造業景況指数は弱かったため、あとドルが売り戻されると、金はプラス圏に切り返す展開となった。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、強弱まちまちな米経済指標を眺めてやや不安定な値動きとなったものの、終盤にかけて売りが優勢となり、3日続落した。
朝方公表された11日までの1週間の新規失業保険申請者件数は、市場予想を下回り労働市場の底堅さを示す内容となった。徹底的に新型コロナウイルス感染拡大を防止する「ゼロコロナ」政策を緩和した中国でのエネルギー需要増加への期待感も買いを支えた。一方、米フィラデルフィア連銀が発表した2月の第3連邦準備地区の製造業景況指数は前月に比べマイナス幅が広がった。またクリーブランド連邦準備銀行のメスター総裁やセントルイス連邦準備銀行のブラード総裁ら米連邦準備理事会(FRB)高官が相次いでFRBによる将来の利上げ幅拡大の可能性に言及したこともあり、景気見通しの不透明感が拡大。終盤はマイナス圏での取引となった。
ドル/円 NY終値 133.94/133.95
始値 133.79
高値 134.49
安値 133.70
ユーロ/ドル NY終値 1.0668/1.0672
始値 1.0704
高値 1.0708
安値 1.0655
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 94*27.50 3.9179%
前営業日終値 95*31.50 3.8520%
17時05分 97*00.50 3.8628%
10年債(指標銘柄)
前営業日終値 97*15.00 3.8070%
5年債(指標銘柄) 17時05分 97*14.25 4.0745%
前営業日終値 97*19.25 4.0390%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*01.25 4.6443%
前営業日終値 99*02.25 4.6270%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33696.85 -431.20 -1.26
前営業日終値 34128.05
ナスダック総合 11855.83 -214.76 -1.78
前営業日終値 12070.59
S&P総合500種 4090.41 -57.19 -1.38
前営業日終値 4147.60
COMEX金 4月限 1851.8 +6.5
前営業日終値 1845.3
COMEX銀 3月限 2171.0 +13.8
前営業日終値 2157.2
北海ブレント 4月限 85.14 ‐0.24
前営業日終値 85.38
米WTI先物 3月限 78.49 ‐0.10
前営業日終値 78.59
CRB商品指数 270.2487 ‐0.1345
前営業日終値 270.3832