リビアからの供給が細るとの懸念を受け、9日のアジア市場では原油価格が5ヵ月ぶりの高値となった。
日本時間午後1時10分時点で、米 WTI原油先物は0.2%高の64.54ドルとなった。これは2018年11月以来の高水準である。
ブレント原油先物も5ヵ月ぶりの高水準となり、0.1%の小幅高で71.19ドルとなった。
東リビアを統括するハリファ・ハフタル司令官率いるリビア国民軍は、首都トリポリに進軍すると見られている。リビア国民軍は7日、首都に続く地域で空爆を行った。ブルームバーグによると、先週少なくとも35人が巻き込まれ犠牲となった。
3月には日量110万バレルの原油を生産したリビアは、ヨーロッパに対し膨大な供給量を誇っている。
スイスの石油関連コンサルタントであるOlivier Jakob氏は、「イランやベネズエラなどによる原油供給の不透明感にリビアでの不安定な情勢が加わった」と述べている。
原油価格の上昇には、米中からの予想を上回る経済指標が景気後退への懸念を和らげていることも寄与している。
サウジアラビアのエネルギー担当大臣であるファリハ氏は8日、市場が「正しい方向に」動いており、均衡状態に向かいつつあると語った。
OPECプラスは、6月に開催される会合で協調減産延長の採決を行うと見られていた。しかしながらファリハ氏は、5月に決定されることは必ずしも協調減産の延長ではないかもしれないとの考えを示した。