[メキシコ市 10日 ロイター] - 米国、カナダ、メキシコは10日、当地で首脳会談を開催し、半導体の生産やサプライチェーンの強化など経済関係を深めることで合意した。
バイデン米大統領、トルドー加首相、ロペスオブラドール・メキシコ大統領は二酸化炭素(CO2)排出量を削減し、インフレに対処することも約束した。
バイデン氏は会談後の共同記者会見で「北米で明日の技術を構築するための努力を加速し続けるために、われわれはサプライチェーンと重要鉱物に関する協力の強化に取り組んでいる」と表明した。
ロペスオブラドール氏は、輸入品を国産化し他の地域への依存度を引き下げるために委員会を設置し、北米の経済開発を促進すると述べた。
米ホワイトハウスは移民のための法的経路を3カ国が改善すると明らかにした。ロペスオブラドール氏は米国に滞在している数百万人のメキシコ人の移民資格を正式なものにするための措置を求め、バイデン氏に対し議会に働きかけるよう改めて要請した。
米国は戦略的ハイテク産業への投資を増やすため、2023年初頭に北米で半導体フォーラムを開催する計画を示した。
ホワイトハウスは半導体製造におけるニーズと投資機会を特定するために、半導体サプライチェーンの調整が必要と指摘した。
メキシコは半導体生産を増やすことを期待しているが、同国のエネルギー政策を巡る対立が障害となっている。資金難の国営エネルギー会社を優遇するメキシコの政策は今回のサミットでも注目されていたが、首脳らは記者会見でこの問題に関する質問に答えなかった。
ホワイトハウスによると、3カ国首脳会談に先立ちバイデン氏とトルドー氏が会談し、バイデン氏が3月にカナダを訪問する意向を示した。バイデン氏は会談冒頭で、この地域が「世界におけるクリーンエネルギーの中心地」を目指すべきと述べた。
また「誰からも制約を受けないようサプライチェーンを強化すべき」と強調した。
ホワイトハウスによれば、3カ国は固形廃棄物や廃水からのメタン排出を30年までに20年比で少なくとも15%削減することも約束した。
さらに、移民が密輸業者に頼らずにメキシコ、米国、カナダに合法的に入国するための情報や手段を提供するプラットフォームを構築するとした。