[ロンドン 24日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のラムスデン副総裁は24日、追加利上げを支持するが、景気とインフレ圧力が予想に反して推移すれば利下げも検討すると述べた。
キングス・カレッジ・ロンドンで講演し「私は追加引き締めの方向に傾いているが、景気が私の予想に反した形で展開し、インフレの根強さが懸念要因ではなくなった場合、適切に利下げの根拠を検討する」と発言。ただインフレ圧力が予想以上に根強いことが判明した場合は「引き続き力強く対応する」とし、「用心深く、敏感に反応して」政策を設定するのが自身のアプローチだと述べた。
中銀金融政策委員会のテンレイロ委員は今月、中銀の最新の経済予測に基づくと政策金利は現行の3%を上回るべきではなく、2024年に引き下げが必要になる可能性があると指摘。
ディングラ委員も、中銀が借り入れコストを一段と引き上げれば、予想されているリセッション(景気後退)が深化する可能性があると述べた。
ラムスデン副総裁は英政府が今月発表した増税と歳出削減を柱とする財政再建計画が経済成長とインフレを押し下げる可能性が高いが、「この措置の大半は2025年4月まで実施されないため、金融政策委員会(MPC)の3年間の見通しにほとんど影響を与えない」とした。
また、英中銀が家計の問題に拍車をかけていることを「痛感している」としながらも、英中銀はインフレ率を目標の2%に回帰させるために必要な措置をとらなければならないと強調。英国に対する国際的な評価については、借り入れコストが低下しているにもかかわらず、トラス前政権の「ミニ予算」で引き起こされた金融の混乱からまだ完全に回復していないとした。