[東京 3日 ロイター] - 東芝が28日に開く定時株主総会の招集通知に、「物言う株主」出身者2人の取締役選任案に内部から反対が出たことを注記することが分かった。複数の関係筋が3日、明らかにした。
東芝は5月26日、株主総会に諮る取締役候補13人を発表し、主要株主で資産運用会社の米ファラロン・キャピタル・マネジメントから今井英次郎氏を、米エリオット・マネジメントからナビール・バンジー氏を選任する方針を明らかにしていた。複数の関係筋によると、東芝はこの2人について指名委員会で反対が出たことを注記する。
選任案に対して指名委員会で反対が出たことを会社が公表するのは異例。
東芝のジェリー・ブラック社外取締役は3日夕、記者団との取材に応じ、5人で構成する指名委員会で、社外取締役の綿引万里子氏(元名古屋高裁長官、弁護士)がファラロンとエリオットの候補者2人に反対したことを認めた。
特別委員会委員長と指名委員会委員を務めるブラック氏は綿引氏が反対した理由について、「彼女の考えを誤って伝えたくないので、コメントは控えたい」としたものの、「反対したということを記録に残したい」という彼女の意向があったと経緯を説明した。
ブラック氏自身は、候補者2人の「個人としての能力」を評価して賛成したという。「多様な取締役がおり、オープンな多様な会話ができる」ことが大事で、指名委員会として会社全体の利益としてこの体制でいくことになったと述べた。
関係者の1人によると、綿引氏は「物言う株主」の幹部2人を選任することで取締役会全体のバランスが悪くなると主張したという。綿引氏のコメントは得られていない。